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67.とにかく皮肉のない本がいい

はっぴーえんど

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

魚戸おさむ先生といえば「家栽の人」。家庭裁判所の「家裁」ではなくて家庭栽培的な「家栽」なんですよね、大学生くらいまでは全く気づきませんでした。うまいなあ。あの名作をヨンデル選書フェアに入れてもいいくらいです。さて「はっぴーえんど」ですが、これは舞台が函館なのです。モデルになったドクターの中には私の同期の人間もおります(川口先生、お元気ですか)。終末期医療を扱う物語としてはぼくはこの「はっぴーえんど」こそが我々のエクスカリバーになるべき書籍ではないかなと思います。ナイスタイミングで2月末には6巻が出ます。ぜひ。人間の最後の生き様を看取る人々はときに「よく笑う」んだよなあ、というのが、近頃「在宅医療カレッジ」や「在宅無限大」を読んで感じたことですが、はっぴーえんどを読むとなおよくわかります。

「はっぴーえんど」は今年の春に完結した。全9巻。すばらしいマンガだったのでこの機会にぜひ読んで欲しい。

死を語る人の数が増えることはいいことだ。生きることについてもおなじである。ときに、ことばはだんだん尖っていき、出る釘ばかりが我々の衣服をひっかけるようになる。

長くのんびりずっと温かく語れる人なんてほとんどいない。でもそういう人を探し続けることにおそらく意味がある。

(2020.8.9 67冊目)

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