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からだひとつで

先日高校の友達が出演するダンスサークルの公演を観に行きました。これまでも観に来てほしいと言われていましたが、なかなか予定が合わず、行けませんでした。しかし、今回が彼女の卒業公演ということで、遠く浦和まで行ってきました(電車で1時間20分)。これまでの人生でダンスを観に行ったことが一度もなかったので、初めての体験を記しておきたいと思います。

私のダンスに対するイメージは、ジャニーズやAKBのようなアイドルや、ヒップホップのようなキビキビした激しい動きなど、いずれにしても体力に自信のある陽キャの遊戯というものでした。私の大学にもダンスサークルはありますが、キラキラの陽キャがだぼだぼのTシャツやジャージを着てイヤホンで音楽を聴きながらガラスの前で踊り狂うところしか知りません。今回友達の公演を観て、そのイメージは少し違うことが分かりました。

イメージ通りの部分もありました。私立のインカレサークルだったこともあるのかもしれませんが、客席から名前を叫ばれ、ヒップホップやアイドル、東京ゲゲゲイみたいなやつなどをバキバキに踊る場面もあり、ダンスってこうなんだよなぁと、そりゃ盛り上がるよなぁと思いました。しかし、私が惹かれたのは、コンテンポラリーダンスや表現運動のようなものでした。女性の中に一人だけ男性がいたり、ぽっちゃりの女性がいたり、そういう部分に惹かれていました。こういうと、そういう人たちがダンサーらしくないというように聞こえるかもしれませんが、私のイメージを覆してくれたのは確かです。女性の中の唯一の男性は、女性的な動きをしているのに目立つ。ぽっちゃりの女性が大きな動きをすることで、腕がより長く見えたり、ダイナミックに見えたりしました。どうしてもダンスを観ていると、ジェンダーや音楽と身体の同期、歌詞との同期を意識してしまい、途中から素直に見られなくなっていました。

あと、これは友達だからかもしれませんが、30人くらいの中にいても友達はすぐ見つけられました。全員で同じ動きをしていても、思い思いのポーズでピタッと止まる場面で、抑えきれない個性が溢れ出しており、簡単に見つけられました。彼女がわかりやすいというのもありますが。

友達のおかげでこれまで縁のなかったものに触れ、楽しんで観ることができました。感謝です。私は音楽で自己表現をします。楽器と共にあるから普段の自分を離れて表現できると思っています。しかし、ダンスは自分の体一つで、普段の自分が抑えられない自己表現のように感じました。それができるのはすごいなぁと思いました。私は楽器がないと無理です…。新しい発見はいつでも楽しいですね。では。

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