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振動ガンを考える。振動その2

振動の効果についていくつか文献がありアップデートさせていただきます。

その1

振動ツールに関する効果は文献によってまちまち。。。

振動に関してはパワープレートを利用したWhole body vaibrationが多く、後発の振動ガンのようなLocal Vibrationの文献が少ない。。。

また振動なのか振動ガンなのか?介入方法自体が難しい。。。

色々と不明確な部分が多いのですが、私なりに様々文献などを読んだ中で簡単に書いていきたいと思います。

その1にて

「振動数自体も重要で一般的な振動ツールの低めの振動数である20Hzくらいがリラクゼーションに効果があり、強めの50Hz以上だと逆に筋への活性、刺激になるとされています。」

というように文献を参考に書きましたが、カギはこのHz数になります。

多くは50Hzをキワにして上、下と判断しているものが多いですが、その1では見つけられなかったパチニ小体の感知に影響するHz数に関するものがあったようです。

またその他の感覚神経であるマイスナー小体、その1にもありました筋紡錘に関わるHzもありました。

ここでマイスナー小体、パチニ小体の感覚神経二つのレビューをしようと思います。どちらも似た要素もあり、ともに感知の順応速度が速いです。

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マイスナー小体は真皮の表層部位にあり、主に軽いタッチ、触覚に敏感で部分的に振動にも反応します。

パチニ小体は圧の変化、また主な振動への感知に敏感です。

マイスナー小体は40Hzくらいの振動に反応しやすく、パチニ小体は100Hzくらいに反応するとありました。

その1にも書きましたがパチニ小体におけるこの感知は循環や疼痛抑制にも関わってくるので、振動感覚によるフィードバック機構によりリカバリー(循環改善、疼痛コントロール)に関わると考えられます。しかしながらマイスナー小体においてはこの機序が当てはまらず、合致しない可能性もあります。

ただ感覚のインプットによる全体的なトーンの変化は起こる可能性はあります。

興味深いことにパチニ小体の振動はふり幅が小さい程、感知しやすいようです。

振動ガンのようにヘッドが前後に大きく動いたり、振動ロールのように押さえつけたりするとその振動自体の感知は変化するのかもしれません。


またこれらの感覚神経に加えて重要な機会受容器が筋紡錘

です。

筋紡錘は80-120hzくらいが反応しやすいとされていて、その刺激により筋紡錘の興奮性があがります。

筋紡錘の感度が高まると錘外筋=いわゆる筋線維は弛緩します。

つまり筋肉は緩むと同時に筋の張力が適切に保たれる状態になります。

↓参考に

また、その1にも触れましたが筋紡錘は筋腹に多く含まれるために筋腹に刺激を加えるとより反応はよくなります。

パチニ小体は皮下組織に多く含まれますが、関節周囲も含有量が多いです。

その1にて

「リカバリーを目的とするなら筋腹に対してソフトな刺激、
感覚を変えたいなら関節周囲に中度の刺激
今から動くぞ!というときは筋腹に強めの刺激と関節周囲に強めの刺激
可動域をあげるぞ!という場合には筋腹にソフトな刺激に関節周囲に強めの刺激+ストレッチが良いでしょう。」

と書きましたが、あながち間違ってはいませんが、

「ソフトな刺激、皮膚触覚程度の振動で全体のトーンを下げるリカバリー系。

感覚を変える、疼痛抑制などを行う場合はあまり動かさず押さえつけずに高振動。

動くぞ!という時は筋腹に強めの中程度―強めの振動で筋紡錘の感度を上げて筋を活動しやすい状態に。」

こんなところでしょうか?

あと注意点が以下。

この感覚は皮膚の温度にも影響を受けるので冬場など皮膚の温度が低い場合は感度は下がります。

私も振動覚の研究で論文を出しましたが、皮膚の温度が一定になるようにコントロールをして振動感覚を観察しました。

気温が低かったり疲労で皮膚の温度が低くなったり、循環が悪くなっている時は温めた後に振動をかけてみるのも良いかもしれません。

(温め+振動で血流量が上がって痒くならないように注意を)

まだまだの分野だと思うのでまた何かあったらアップデートしたいと思います。


https://www.researchgate.net/publication/330245333_Effect_of_vibrational_therapy_on_muscle_tissue

https://www.researchgate.net/publication/339091281_Vibration_Therapy_and_Its_Influence_on_Health

https://www.hindawi.com/journals/ecam/2019/8436325/

https://europepmc.org/article/PMC/4163589


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