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心理的安全性を高める 「雑談」

今日は久しぶりに、心理的安全性について書きます。
私が心理的安全性を高めるために行っている「雑談」について話します。

雑談って、ぱっと聞くと、仕事とは関係ない気がしますよね。遊んでいるみたいなイメージがあるかもしれません。
忙しいときに雑談はできませんが、仕事に少し余裕があるときは、軽い雑談は良いものだと私は捉えています。

なぜかというと、雑談すると心が少しリラックスするからです。雑談ができるぐらいの人間関係だと、仕事の話も気軽に話しやすくなります。わからないことや確認したいことも、聞きやすいのです。
雑談には、過度な緊張感をほぐして、話しやすくする効果があるのです。

 大きな病院の勤務医になったことがあります。そこの先生は皆勉強熱心で、眼の話しかしません。熱心なのは素晴らしいことなのですが、私には少々窮屈でした。難しい話が多くて意味が分からないことがありました。でも、わからないと言いづらかったので、静かに聞いてるだけでした。

そんなとき、新しい医師が就職してきました。その医師は、眼の話ではない一般的な雑談ができる人でした。仕事中の私は緊張しているのですが、その医師と雑談すると緊張の糸がほぐれてリラックスできました。話しやすくてとても嬉しかったのを覚えています。その医師には、仕事の話も聞きやすかったものです。彼は、話しやすい雰囲気のおかげで、患者さんからの評判もとても良かったです。

私は研修医を始めたばかりの時、ものすごく緊張していました。緊張しすぎて気持ちが悪くなり、立っていられなくなり倒れたことがあります。自分が何もできないことに自信がなくて、不安しかなかったのです。そんなとき、仕事とは関係ない雑談をしてくれる上司が好きでした。なんとなく、自分を人間として認めてくれている感じがして、嬉しかったのです。

雑談ができるくらいの距離感になると、仕事のことも話しやすくなるのですよね。研修医のころ、当たり前ですが初めてでわからないことだらけでした。当時の私は、気軽に質問できるような人ではありませんでした。わからないことを怒られるのではないかと不安に思っていたのです。でも、雑談ができる上司にはわからないことでも聞きやすく、心の壁も薄くなっていきました。
つまり雑談ができる人とは、心理的安全性が高い人間関係になれたのです。

心がガチガチに緊張していると、自分の意見を率直に言うことはできません。私みたいに、緊張で倒れてしまうような人には、意見を言うことがものすごく高いハードルでした。今の私は仕事歴が長いので、もうそんなに緊張することはないのですが、新しく就職した人などはきっと緊張していると思います。慣れていないから緊張するのは当たり前だし、緊張するとわからないことがあっても聞きづらいでしょう。ですから、特に新しい人には緊張がなくなるように、積極的に雑談をするようにしています。

はじめて就職して、緊張で苦しかった自分を思い出し、相手が少しでもリラックスできるように気さくに雑談をしています。
雑談することによって、話しやすくなり、わからないことを聞いてくれれば、新しい人は成長するのが早くなります。成長してくれると、仕事で貢献できますので、本人も嬉しいし、自信がついてきます。周りも認めてくれるようになります。話しやすいことは、人の成長を促します。

雑談で、話をするハードルを下げてみる。話すと相手の存在を認められる。存在を認められると、率直に質問したり、意見を言えるようになる。
そうやって心理的安全性を高い組織に育てていくことができます。雑談って仕事上でもとっても有意義なものなのです。


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