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リアリティーとオーセンティティー
「〜らしい」という表現はいたるところで目にしたり耳にしたりすると思います。一般的な言い方であって誰しも親しみがあるはずです。誰かのモノマネをするときに本物よりも本物らしいなんて言い方もしたりします。このような場合は大抵本人の特徴を著しく誇張してみせることで我々はそう認識しています。ではドラァグの世界ではどうなのでしょうか。いわゆる「オカマ」と言われる人たち(かなり語弊を伴う表現になっていることはわ
もっとみる詰め込みの否定の否定
専門の講義で哲学史講義を取っています。前半の授業ではギリシア以来の西洋哲学の大きな流れが説明されていて、タレス以降のソクラテス以前の哲人も取り上げられてました。その中のアナクシマンドロスの「アルケーはト・アペイロンである」という主張に対して弟分のアナクサゴラスが「目に見えないものが根源であるなんてナンセンスだ!」批判するのです。確かに万物の根源が「目に見えない」というのはおかしな感じもしますし自然
もっとみる子供意思表明について
先日の気候変動サミットで一躍有名になったトゥンベリさんの演説。その賛否はともかく彼女の行為が礼賛されるのを少しだけ考察しようかと思います。
先づ発言者が「子供」であるがゆえに「大人」の前でそして「世界」の前で発言出来ることを称えているという一面があるでしょう。我々には、子供という弱い存在が大人や世界という強く大きな存在を前にして堂々と発言出来ること自体を立派だと考えるの構造的な意識があります