読んだもののメモ

 アルジャナン・ブラックウッドの短篇ふたつを読んだので感想のメモをおいときます(ツイッタだとツリーが長くなっちゃうので)。

「The Survivors」
リンドシュトルム氏はバスの事故に遭うが、奇跡的に傷ひとつ負わずに生還する。氏が現場を立ち去ってケンジントン庭園で座っていると、時間の感覚が変化し、まわりの世界もどこか変わったように見えはじめて……
死によって別のナニカへと変化するという話。中年でありながら、少年にもなれたり、過去と未来が入り混じっていてかなり奇怪な感じだった。幽体離脱だけにとどまらず、意識の変質をも盛りこんでいるあたりは作家らしいかも。

「Dr. Feldman」
若い小説家のペラムは精神科医のフェルドマンと空家で一夜を過ごす約束をしていた。その家では悲惨な心中事件があり、その後も怪死が相次いでいた。
当日、フェルドマンは急な用件で同行できなくなり、ペラムはひとりで空家へ向かうが……
「空き家」や「囮」を思わせる幽霊屋敷もの。異常な状況下の心理や怪奇現象の描写は克明で、ペラムの眼前に現れる幽霊(?)も手で触れられそうなほど。

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