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軽井沢のイメージ

#みんなの文藝春秋

#佐々木俊尚

#軽井沢


緑の中をキラキラguided Robin

19才の頃から何度か職場の上司や友人と軽井沢へ行く事があった。まだ関西に住んでいた頃ちょうどいい距離感とじつは私は自分で稼げるようになったら近場に旅行するなら軽井沢がいいと思った。

軽井沢駅近くになると途端に景色が避暑地のムードになる。車窓を見ていると大きな蝶が現れ初めて私はあの感じを今も忘れられない。

初めて行った時は英国風の洋館のつくりのペンションとホテルの間のような宿に泊まる。私と一緒に泊まったのは会社の年上の女性の先輩で女2人で笑いながら好き勝手に夏休みを何日か過ごした。

まるでボードレールの「小さな悪の華」のイメージ。

なにが良かったかというと私たちの泊まった部屋は屋根裏部屋のような作りで天窓があった。ウソかと思うけど軽井沢ってホントに冷房がない。夜は窓を開けなくても真夏なのに涼しくてその天窓から空気が澄んでいるせいか、降るような星空を見ながら眠りに落ちた。

軽井沢の輝く湖水

雲場の池という緑の中に池があってそこへ自転車で行った。軽井沢の移動手段は電車でもタクシーなどの車でもない。旅行者はフツーにレンタルの自転車をみんな使う。

私は今はもう自転車は乗れないんじゃないかと思うけどその時もそう思って大丈夫かな?と思ったけどなんとか乗れた!軽井沢での移動手段はホントに自転車に乗れないと話しにならない。車道の幅が狭いのと小回りがきくほうがあのような土地には向いている。雲場の池の近くになると車だと結構キツイ。そのまた何年か後に別の友人たちと車できたけど車輪が溝にはまった車に助けを求められたりした。

だから私は今も軽井沢の思い出は自転車であちこち移動した事であんなに1日中自転車に乗ったのは後にも先にもあの時かもしれない。

緑の自然の中に自転車はよく似合う。

雲場の池はガイドブックにも載っていたから絶対行こうと思っていたけれど行くと誰もいなくてとてもきれいな池、というよりまるで湖だった。

昼間なのに水面に霧が立ちこめるような景色がとても幻想的で美しかった。

「軽井沢マイラブ」の章

もう今から25年以上前に酒井美意子さんの自伝エッセイで華族出身の酒井美意子さんが軽井沢の別荘で夏を過ごすのを読んだ。

華族様って夏は大名行列をつくって軽井沢に避暑地へいく、そのリッチ感がいいな、と思った。

その時お母様と一緒に写っている写真はパンツスタイルで自転車に乗っていた姿は身近に庶民っぽくてマネる事が容易だと思った、他の事はいろいろ難しいけれど。

キラキラ緑の中のテニスコートの音

音羽の森ホテルにも自転車でいく。

ホテルにその頃はテニスコートの横だったと思うけどテラスのカフェがあってティータイムをした。音羽の森ホテルに行きたいというと一緒に軽井沢にきた先輩が喜んで賛成してくれた。その理由をいうと私が中学3年生の時にものすごく印象深い夢をみて

朝になっても忘れられなかった。深いきれいな緑の森の中で陽射しがキラキラしてテニスコートのテニスをしているボールの音だけが聞こえてくる夢。その話を同級生の友人にしたら一緒に本屋で夢判断や夢占いの本で調べてくれた。緑の中のテニスコートは載っていないけどたしかいい感じの夢の意味。

軽井沢の音羽の森ホテルの近くまで自転車できた時、「夢にみた風景がこんな感じなんです!」というと相手もすごく喜んでくれた。

緑の陽射しがキラキラする中を

自転車でゆっくり走る時、今でもそのムードを求めて早朝の夜明けの森でその時の事をいろいろ思い出している。

closet freak/Tuesday