「偏差値30から外科医になった男」の強みとは
なんとなく、母がチャンネルを変えた「笑ってコラえて!」で放送していたのは、あるお医者さんの人生だった。その名も、石井洋介氏。
石井氏の経歴は調べれば分かると思うので、割愛させていただく。もしくは、本人の著書『9歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと』を購入いただくか、「笑コラ」の配信を見てもらいたい。
彼に関して、(月並みだが)すごいと思ったのは、「憧れが力になっている」ことだ。
憧れの存在というのは、きっと誰にでもいると思う。例えばそれは、きれいなモデルさんだったり、演技のうまい俳優さんだったり、絵のうまいイラストレーターさんだったり。もっと身近に、なんでもできるクラスメイトや友達かもしれない。
ここで問題。どれだけの人が、その憧れに近づくための努力ができるだろうか。
私にも、憧れて尊敬する存在はいる。名前を書くのはいささか恥ずかしいのだが、彼の一切の努力を怠らない姿勢にはとても憧れる。…だからといって、「自分も頑張るぞ!」「他事しないで勉強するぞ!」「就活一直線で頑張るぞ!」とは思えないのだ。いや、思ってもできないのだ。誘惑が多い。それに勝てない。
でも、石井氏は「自分の人生の分岐点となった、あの彼のような医者になりたい!」その一心で医学部に合格、医師になった。医師になるなんて、簡単なことではない。VTRに登場した彼のご友人も、石井氏の医者になりたいという気持ちは非常に強かった、だから友達になった、とおっしゃっていた。
石井氏は、それほど強い気持ちを持って、その気持ちを燃料として努力をしたのだ。
彼の挑戦はこれで終わらない。みなさんは、「うんこドリル」をご存知だろうか。多くの人はご存知だろう。一世を風靡したあれ、実は石井氏が立ち上げた「日本うんこ学会」が作ったもの。そしてこの「日本うんこ学会」、なんとスマホアプリ「うんコレ」を製作している(しかもほぼ無償で!)。
この「うんコレ」、実は課金要素が全くない。毎日、自分の排便状況を報告することでゲーム内アイテムを獲得できる。排便状況に異常があると、キャラクターが医者に掛かった方がいい、と勧めてくれる。このゲームのキャッチコピーは「うんこで救える命がある」。
石井氏、実は高校入学前に血便が出たことがあったのだが、それを医師にうまく伝えられず、病気の発見が遅れてしまった。そんな自らの経験を悔やむだけで終わらせず、それを役立てようとしているのだ。医者である彼だけでは、ゲームは作れない。いろいろな人に声をかけ、ゲームを2013年に配信する。
それで結局、石井氏の強みとは?
・明るい
・憧れを燃料にして、努力という道を走れる
・自分の経験を自分だけのものにしない。広く役立てようとする。
・そのために、いろいろな人に声をかけられる
この4つが、石井氏の強みだと思った(そして私に足りないものだ…)。
私の石井氏に対する知識は「笑コラ」で見ただけのものなので、きっと取りこぼしや、事実と少し違う点もあるだろう。それでも、あの短いVTRで私は石井氏に憧れた。この憧れを、私は石井氏のように燃やせるだろうか。
…とりあえず、明日、書店で『9歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと』を探してみようと思う。
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