見出し画像

子どものやる気を引き出す親子対話

あっという間に1月が終わり
2月がスタートしました!
Dreavenも
受験やテスト対策
進級準備など
ますます活気に溢れています☺️

画像1

1月31日にDreavenでも導入している速読の会社
株式会社SRJのオンライン勉強会に参加しました。
教科書改訂に関する内容は
こちらのブログと同じです。

教科書改訂に関する講演の後は
「子どものやる気を引き出す親子対話」
についての講演でした。

ご家庭でお子さんと保護者の方がお話する際に
大事な事や、すぐ出来る事がたくさん詰め込まれていたので
こちらのブログにまとめたいと思います。
私自身のメモを文字として打ち込んでいるので
わかりづらい点があったらすみません!

親子対話の必要性

今回の講演は
江藤真規先生のお話でした。
先生は子育てや
コーチングに関する本を多数出版されており
娘さん2人を東京大学に合格させた経験をお持ちです。
ご自身も東京大学大学院で
教育について改めて学ばれています。
多数のテーマをお持ちの中で
今回のテーマは「親子対話」についてでした。

親子で対話をする事は
子どもを需要すること、共感することにだけでなく
ストレスマネジメントや子どもを知る事
思考力や表現力を育てる事
課題の発見や解決
にも繋がります。
親子というのは基盤では信頼していますが
思春期にその信頼が一旦崩れる事が多いです。
だからこそ「対話」が大切です。

しかし
対話というのは関係が近いからこその
難しさがあるものです。
ハリネズミのジレンマ
という話をご存じでしょうか。
ドイツの哲学者ショーペンハウアーが執筆した
随筆集「余禄と補遺」の中にある寓話がもとになっています。

寓話を簡単に説明した内容が、下記となります。
冬の寒い日に、ヤマアラシの群れが
お互いの体をくっつけて温め合おうとしました。
しかし
双方の針毛が刺さり痛くてすぐに離れてしまいます。
離れると寒いのでまた体を寄せ合いますが
やはり針毛が痛くてくっついていられません。
ヤマアラシたちはくっついたり離れたりを繰り返して
いい距離を見つけることができたのです。

シンプルに言うと
適度な距離が難しく
親子で言うならば
近付きすぎると痛い
でも離れると寂しい

といったところでしょうか。

最適、適度な距離が大切かつ難しい。
言わない、なんでも言う でもなく
相手を尊重して対話をし
意味を互いに共有する事が重要だと
江藤先生は仰っていました。

子どものヤル気を⑩%上げるための親子対話

ヤル気といのは言葉通り
「気分」ですから
気付けば出てくるものです。
何に気付くかというと
・勉強って面白い
…これに気付ければ大人が放っておいても
 自走して学びます。
・勉強はやったほうがいい
…大人はこちらを意識しがちですね。
・やれるかも、出来るかも
…実はこちらの感覚を置き去りにしがちなのです。
 その目標、高すぎませんか?
 目標が高すぎると「他人ごと」になってしまい
 ヤル気は出てきません。
 自分事に置き換える工夫が必要です。

他人事はヤル気が出ない、の例を挙げてみましょう。
お料理があまり好きではない、得意ではない
と仮定しましょう。
「ミシュランシェフがレストランのレシピを公開」
「ミシュランシェフが家庭で10分で出来るレシピを公開」
 前者の方が他人事、後者の方が自分事
として捉えられませんか?

もしも目標が遠く、高すぎる事で
子ども自信の「自分事」になっていないならば
今の子どもに近いところに設定すればいいのです。

大人の方が
「自分がどんな時ヤル気になるか」
を考え
スモールステップで目標を示してあげましょう。

小さな目標を設定し
「今日これをやればいいんだ」
「だんだん目標に近づくんだ」
こんなイメージを持たせる事が出来れば
子どもたちの気持ちは
「出来るかもしれない」へと変わります。

そして、なぜかわかりませんが
親の目は「前」しか見られなく出来ています。
何か出来た時、やった時
一度立ち止まって、振り返って
「やれたね」「できたね」
こんなフォローをしてあげる事は
実はとても有効なのです。

子どもの強みを意識する

カウンセリングやコーチングの用語で
個人が持っている「強み」の事を
「ストレングス」といいます。
人はどうしても欠けている部分
特に親というのは生理的反応で
強みではなく弱みに目を向けてしまいがちですが
お子さんの「強み」に目を向けると
いかがでしょう。
「弱み使い」を「強み使い」に置き換える工夫をし
弱みを知った上で、強みに意識を向けてみる
子どもが自己分析をしてみる事も大切です。

子どもの気持ちに寄り添い、受容し
焦らず自走出来るところまでサポートし
出来ると「思わせる」
出来る「経験をする」

そして
システムに頼らない。
目標を決めるのは
気持ちが乗ってからでいいのです。
心がいっぱいの時は
とにかく対話をしてみて下さい。
対話を円滑に進めるためには
いくつかのスキルがあります。
共感・気持ちの代弁・受容
否定しない、などです。
(スキルは後述します)

変化の時代

教育だけでなく
世の中も次々と変化をし
教育と実際の社会が
近づいてきました。

そんな今の世の中を
VUCAの時代とも呼びます。
VはVolatility:変動性
 UはUncertainty:不確実性
 CはComplexity:複雑性
 AはAmbiguity:曖昧性

だからこそ
今以上の
個別最適化が大切だと言えます。

子どもの教育において重視されるワードは
かなり変わってきました。
今、重視されるワードは
・子どもの自己決定
・子どもの自己選択
・正解のない人生
・個性
・子どもの強み
・没頭、夢中
・内省
これを読んでくださっている
保護者の方々にも
共感していただけると思います。

また
・成果のみならず過程、学びのプロセスを
 重視する
・どんな経験をしているか、なぜしているかの意味など
 学びによる成長を大切にする

これらも今の時代ならではの
教育方針でしょう。

子どもの思考力、表現力、判断力を育む対話

親子の対話は子どもの学力に影響します。

①持っている力を引き出し、自分らしく
子どもの中にあるものをアウトプットする時間

②学習に対する意識を高め、目標に向かう
誰かと言葉のキャッチボールをする。

③課題を見つけ、自らの力で解決に向かう
家族との対話、自分との対話を通し
考える習慣が必要。
教えてもらうのではなく
自ら発見して考える。

対話は1日5分でOKです。
よくあるのが
お子さんと保護者の方の
「聴いている」に関する
認識のズレ
です。

保護者の方は
「聴いている」と思っていても
実は何かをしながら、であったりすると
お子さんは
「聴いてもらっていない」
と思っている事も多々あります。

ですから1日5分
手を止めて、お子さんの顔を見て
「聴く」時間を取ってあげませんか?

対話のスキル

ここまで対話の必要性や
重要性について書いてきましたので
実際に使えるスキルについて
書いていきたいと思います。

①子どもの話を聴く

対話の前提は聴く、傾聴する事です。
きくには3つのパターンがあります。
・聞く
…英語で言うとHear
・聴く
…英語で言うとListen
  心を傾けて、意識して聴いている状態です。
・訊く
…英語で言うとAsk
  ついついやってしまいがちな聞き方ですね。
やっていただきたいのは
「聴く」であり
こちらがどう聴いたかではなく
相手がどう受け取ったか、それがゴールです。

聴く が難しいことにも理由があります。
①内容に関心がない
②相手に関心がない
③聞いているが共感して聞けない
ご家庭では③の場合は多いかと思います。

対処の方法は
・相手のために聴いている事を意識する
・理解出来ない時は具体的に質問する
・先入観に気付いて排除する

 =事実と解釈を分ける

これらができると
今まで見つからなかった
「子ども」を見つけられるかもしれません。

聴く事は事情聴取ではありませんから
確認したり把握したりするのが目的ではありません。

たくさんの言葉を引き出せればOKなので
賛成できなくても構いません。

積極的に傾聴をしている
と伝えるには3つのレベルがあります。
レベル1・多様な相槌
…相手に聞いている姿勢を示す
「なるほどね」「うんうん」
レベル2・相手の言葉の繰り返し
…相手を受け止める
「そっか、難しかったんだね~」
レベル3・自分の事がで言い換え
…相手を理解する
「ということは積極的ではなかったという事かな」

今のレベルはどこでしょう?
1つずつステップアップをしてみて下さい。

②質問する

ここが重要かつ難しいポイントです。
・情報を集めるための質問ではなく
 相手が考えるための質問 の位置付け
・相互理解のツール
 子どもは自分の分身ではなく他人

最大のポイントは
質問は確認ではないという事です。
なので
「ちゃんとやったの?」
は質問ではないのです。

勉強に関しては
長期目標と短期目標の
2軸で考えるとうまくいきます。

続いて
チャンクダウン、チャンクアップを行います。

チャンクとは「塊」の事で
チャンクダウンは塊を小さくする
目標までのステップを細かくする事です。
「そのために何をする?」
「具体的には?」
これらはチャンクダウンの質問です。

チャンクアップは先を見ることで
「それが出来たらどうなる?」
「ゴールの先に何がある?」
これはチャンクアップの質問です。

質問には様々な種類があります。
・クローズドクエスチョン
…Yes、Noで答えられる質問
・オープンクエスチョン
…「どうしたらいいかなあ?」
 などYes、Noで答えられない質問。
  「うちの子には無理」
 と思われるかもしれませんが
  どんな子にも考える力はあります。
・過去質問/未来質問
…「あなたはどうしたいの?」
・否定質問/肯定質問
…「何があったら出来るかな?」
・「一番〇〇なものは?」
 「一言で言うと?」
 「どうしたら?」

…子どもの「答え」を否定せず
 「なるほどね」と受け止める姿勢が大切です。

また、質問には
気づきと自己決定を促す効果があります。
・気付き
…自分の気持ちに気付く
  思考を整理する
  勇気づける 
「一番大切にしている事は?」
「何がブレーキになっている?」
「富士山で言えば何合目まで登ってきた?」
「何があったらうまくいく?」

・自己決定/自己選択
…自分で考える
「それは誰が決めること?」
「まずは何から始める?」

③一緒に考える

子どもは大人の未成熟な状態ではなく
1人の、社会に生きる人材であり市民です。
ですから
・子どもだから分からない
・子どもにはまだ無理
という考え方は排除し
一緒に考えてみて下さい。

これから大切なのは
一緒に社会的課題を見つけ
解決に向かう事です。
このような対話を繰り返す事で
子どもたちの
興味関心は広がります。
また、教科横断型学習も
親子の対話で実現できるのです。

質問とそれの答え

講演の最後には
参加者からの質問と
それに江藤先生が答えるコーナーがありました。

質問①
子どもに将来について考えさせる方法はありますか?

回答:
今の子どもたちはおなかがいっぱいです。
魚の取り方を教えても
取りにいかないのです。
ですから将来のため、だけでなく
多様な経験をする、多様な人と出会う
話を聞く、会話をするなどで
気づきを得ることが重要かと思います。

質問②
母の過干渉はどうすれば?

回答:
正解はありません。
パートナー(夫婦)間で役割が違ってもOKです。
重要なのはパートナー間で対話し
意識を共有しておく事です。
「何で干渉しちゃうの?」
「どうして?」
これを掘り下げて根本の意識が共有出来ていれば
アプローチの手法は違ってOKですし
子どもたちは進みやすくなります。

質問③
同性親と異性親について

回答:
同性の親は難しい
(母と娘、父と息子)
自身が通ってきた道である文
失敗を知っており
レールを敷きがち。

最後に…
賢い子育てとは
子育てのサポーターを見つける事です。
子育てを外注するわけではなく
共に向かう
サポーターを見つけて
一緒に子育ちを!

まとめ

ここからは私の考えとまとめです。
お読みいただいた方
どんな感想をお持ちでしょうか。

恐らく
「わかっているけど難しい」
「こちらが対話をしようとしても
子どもが応じてくれない」
そんな感想が多いと思います。

よく分かります。
年頃の子どもたち
「別に」
「わからない」
そんな答えが多くて
質問したこちらがますます分からなくなって
焦って、叱ってしまったり
諦めたくなってしまったり…
それも保護者の方に
甘えているからこそなんです。

だからこそ私が
お子さんと保護者の方の間に入って
間接的に気持ちを伝える役割を担って
保護者の方に「安心」を
感じていただきたいと思っています。

また、お読みいただき
「対話をしてみよう」
と思って下さったとしたら是非
「ひと呼吸置く」
を意識してみていただけますか?

「わからない」「別に」
そんな答えが返ってきた時に
「わからないって何!」
「別にって答えじゃない!」
…こんな風に反応したくなりますよね。

その瞬間に一度深呼吸してみて下さい。
気持ちが落ち着くと質問が出来ます。

「何で分からないのかな?」
「どうすればわかる?」
「別に、を詳しく話してくれる?」
私だったら、このような質問をします。

寂しいですがあと数年したら
お子さんは絶対に
保護者の方の手を離れていきます。

一対一で話し合ったり
考えを聞いたり
一緒に考えたりする時間は
思っているより短いのです。

親子の時間を濃く
豊かな時間にするためにも是非
Dreavenを活用していただけますと幸いです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?