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【MBA】 ジョン・コッターの 「8ステップ・チェンジモデル」で見る シンデレラの成功の秘訣。

現代ほど、変化の激しい時代はないだろう。

そんな中、変われない企業や個人は徐々に廃れていくしかない。

そこで、今回はMBAの「チェンジ・マネジメント」の有名な手法である、

ジョン・コッターの「8ステップ・チェンジモデル」をご紹介しよう。

ただし、イメージを描きやすいように奴隷から王女に華麗なる「変化」を遂げたシンデレラのストーリーに重ねて説明していく。

●基本:

 ジョン・コッターの「8ステップ・チェンジモデル」とは?

まずは今回の戦略フレームワークの概要を説明しよう。

詳しくは下記のフローを見て欲しい。

ジョン・コッターは企業や組織に変化を起こすためには、この8つの順序で物事を行っていく必要がある。この順番こそ大切で、途中のステップを飛ばすと、望ましい変化を起こす結果にはつながらないという。


それでは、シンデレラのストーリーでその8つのステップを見いていこう。


●CASE:

奴隷から王女への華麗なる転身!

シンデレラの成功へのステップを

ジョン・コッターの8ステップ・チェンジモデルで分析


1. Sense of urgency:危機感を持つ

▶︎舞踏会にチャンスを見いだす

シンデレラは異母やその姉妹にいじめられていたため、

強烈な危機意識を持っていた。

そして家事手伝いをしながら、

変化のチャンスを掴む機会に目を光らせていた。

だからこそ「王様が舞踏会を開き、王女を決めるらしい」

と言う噂を耳にすることで「変化の機会」を見つけることができた。

ここで重要なことは「危機意識」の大切さだ。

この危機意識を持っていないと、たとえ今回のNEWSを耳にしていたとしても、自分ごと化できない場合、右から左へ流れて忘れてしまう。

私たちも日々多くのニュースを耳にしているが、

それをきちんと自分の記憶にとどめておくためには、

あらかじめ自分自身に問題意識や危機意識がないとダメなのだ。


2. Guiding coalition:チームを導く

▶︎魔法使いの同情を誘い仲間にする

シンデレラはどんなに辛い境遇でも

家事手伝いなど頑張り続けていたことで、

魔法使いの同情を買い仲間を得ることができた。

どんなプロジェクトも一人だけでは成し遂げることはできない。

そうしたチームを導くためには、

人が見ていようと見ていまいと

きちんと頑張り続ける誠実な姿勢を示すことが大切だ。

ひょっとしたら人間が見てなくても、

魔法使いが見てくれているかもしれない。


3. Vision and strategy:ビジョンと戦略を考える

▶︎「24時までのシンデレラ」でプレミアム感を演出

魔女とチームになったシンデレラは、

魔女の魔法でかぼちゃの馬車で舞踏会に向かった。

しかしただ綺麗なドレスで現れるだけでは、

他の競合である女性たちと差別化できない。

そこで「24時までのシンデレラ」というビジョンのもと、

時間制限を加えることでプレミアム感を演出する戦略をとった。

また、ガラスの靴というシンボルを用いることで、

見た目にも印象づけることに成功した。


4. Communicate:ビジョンを知らしめる

▶︎あえてガラスの靴を残してビジョンを刷り込む

またビジョンは掲げるだけではダメで、

コミュニティの中でうまく浸透させてゆく必要がある。

シンデレラの場合、「ガラスの靴」という媒体を使って

ビジョンを雄弁に語ることができた。

ガラスが持つ繊細さ、煌びやかさ、儚さといった

メタファー(隠喩)を通じて、

王子様にビジョンを浸透させたのだ。

これが「鉄の靴」だったり、スリッパだったりしたら、

ここまでうまくは事は運ばなかったかもしれない。


5. Empower employees:自発を促す

▶︎王様が自分から探したくなる手がかりにする

また「ガラスの靴」という

わかりやすい手がかりを残したことも絶妙だ。

「あえて居なくなること」でシンデレラへの興味を最大限に高め、

自発的に王子様が「ガラスの靴が入る女性探し」に

乗り出させる事ができた。

ここも「自発的」ということがポイントで、

「王女にしてください」とこちらから押しても

引かれるだけだったはずだ。

うまく周りの人たちを、

変化を起こしている「当事者」にしていくことが大切なのだ。


6. Short-term wins:早めに結果を出す

▶︎自ら名乗り出てガラスの靴を履きこなす

また素早く小さな成功体験を積むということもキーポイントだ。

靴を履くだけで結果が分かるとは、なんともいい感じだ。

これがたとえば

「数年間付き合ってみてうまくいきそうなら王女になれる」

みたいな長期的なゴールしかなかった場合、

王子様も気分が変わったり、シンデレラのアラが目立って

結婚までこぎつけられなかったかかもしれない。


7. Produce more change:変化を推進する

▶︎もう片方の靴を見せて確信させる

さらにシンデレラの場合靴がぴったりあうという成功を見せた後に、

すぐにもう片方のガラスの靴を出してきて確信させたということが上手い。

もし足のサイズがぴったりあうだけだと、

「たまたま同じ足のサイズの女性だったかも」という

疑いを抱かせてしまう。

「ガラスの靴」を履く(証明)→

もう1足のガラスの靴を見せる(確信)→

すぐにお城に向かう(行動)

という風にチャンスの時に一気に変化を推進していくことが大切だ。


8. Culture:文化を定着させる

▶︎お城で幸せに暮らすことで周囲をマウンティング

またシンデレラの物語は

「お城で幸せに暮らしましたとさ」で終わる。

こうした変化を一時のものにしないためにも、

うまく文化(当たり前)にしていくことが鍵だ。

シンデレラの場合も、お城という安全地帯で、

幸せな暮らしをアピールすることで、

周囲に成功者であることを知らしめ地盤を固めていった。

この「幸せに暮らす」というメッセージ性で

異母や姉妹をマウンティングする事になり、

また世の中の恵まれない境遇の人々を味方につけたのだ。

いかがだったろうか? あらためてシンデレラストーリーを見る事で、

あらためて8ステップ・チェンジ・モデルを自分や自社に当てはめ、

望ましい「変化」を起こすためのヒントにすると良いだろう。


【まとめ】

ジョン・コッターの8ステップ・チェンジ・モデルを踏まえて、

あなた流のシンデレラストーリーで成功への階段をかけあがろう。

サポートいただけたら、海外リモートワークにおける取材費などに活用させていただきます。そして、皆様にさらに有益で楽しい学びをシェアさせていただければと思います。