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2016.4.15cakes「こじらせ男子のオトし方」ウラ話〜必要なこだわりとは?〜

こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。

熊本でかなりひどい大地震がありました。余震も多く、熊本や近隣の方は恐ろしい思いをなさっていることでしょう。亡くなられた方への哀悼の意を表明し、被災された方の1日も早い安寧を祈念致します。避難されている方は、とにかくご無理をなさらず、少しでも楽になれるときに体を休めてくださいね。避難中に体を壊す方は多いので。


今回のケイクス連載で、私はこじらせ男子に特有のヘンなこだわりについてお話しました。

記事はこちら 「こじらせ男子のオトし方」

そこで、今回のウラ話は「こだわり」についてお話しましょうか。

こだわり。漢字では「拘り」と書きます。

このページによると、この漢字のつくりの「句」には、

「曲がったかぎの引っかかった象形と口の象形」(「言葉を区切る・曲がる」の意味)から、かぎを引っ掛けてとめる事

という意味があるそうです。
なるほど確かに、「拘」にはこんな使い方があります。

拘禁…行動を制限されること
拘泥…ひとつのことに固執し離れられなくなること
拘縮…関節・筋肉を動かさなかったせいで自由に動かせなくなり固まること、医学用語です

つまり、「拘」には「自由が失われる」という意味があります。

こんな「拘り」ですが、多かれ少なかれみんな持っているものですよね。そしてこの言葉の持つ市井(しせい、と読みます。世間という意味です)でのイメージはなかなか良いように思います。
例えば「こだわり抜かれた」「こだわりの一品」と言うように、職人が考えに考え抜いて妥協を一切排除したとでも言いましょうか、そんなイメージを持っています。

でもこの「拘り」って、少し匙加減を間違うと、人の忠告を聞かずに失敗するヤツになってしまいます。権力者が拘りまくった結果、「お犬様」が生まれてしまったりしてバカ殿になりますよね。下のものからの箴言を聞かなくなります。

一方、「拘り」が全くないとそれはそれで、一貫性の無いふにゃふにゃなことになってしまう。わずかな世界シェアでも楽しいクルマに拘ったからマツダ車は売れるし、ブランドイメージとシンプルなデザインに拘ったからアルマーニは売れ続けるのです。 政治家だって9条反対と言っていたのにやっぱり賛成となったらただの変節漢と思われ信用されませんよね。

つまりこの「拘り」というやつには、丁度良いバランスが存在するのではないかと私は思うのです。それは中庸と呼ぶべきものなのかもしれません。「拘り」に中庸だって?くだらない。そんな声が聞こえてきそうですが、現実世界で生きていくためには突き抜けた拘りだらけだと難しいかもしれません。

「拘り」には、「数」と「深さ」の2つのファクターがあります。「数」は文字通り拘っているものの数。ある人が「寿司はあそこでしか食べない」「タクシーは日本交通しか乗らない」「雨の月曜にはオレンジのシャツを着る」「タワーは東京タワーしか登らない」なんて具合にもっていたらこれは5つの拘り。

そして「深さ」は一番浅い1から深い10までと設定して、「寿司はあそこでしか食べない」を例にとると、もし仕事相手と会食になって相手が寿司屋を設定したら「私はどこそこでしか食べませんので」と言って卵焼きだけを食べ続けるとか会食を断っちゃうとかだと最深度の深度10。「寿司は江戸前しか食べない」くらいだとまあそれほど実現不可能ではありません、深度3といった具合で。。

この「拘り数」と「拘り深度」を掛けたものを拘り指数と言います。

「拘り数」 x  「拘り深度」= 「拘り指数」

私が作った指数です。拘り指数が高い人は、それはそれは生きにくいでしょうねえ。あれこれ考えた結果、拘り指数=50くらいが最適なのではないかな、と私は考えています。

50の内訳はこんな感じです。

絶対譲れない拘りが3つ・・・3 x 深度10 = 30

なるべくなら譲りたくない拘りが3つ・・・3 x 5 = 15

どちらでも良いが、選べるならこっちで行こうが5つ・・1 x 5 = 5

この合計だと50です。

具体的なお話をしましょうか。私の絶対譲れない拘りの一つ、「嫌いな奴には負けない」があります。これを譲るともう、私が私でなくなってしまう、生きている意味がなくなってしまう、それ位に拘っています。まさに拘り深度10。

こういうのがあと2つあります。これがあんまり多いと、それは生きづらい。そして中くらいの深度5の拘り、「新幹線に乗るときはグリーン車、飛行機に乗るときはビジネスクラス」があります。これはもし上司と一緒に乗ることになり上司が普通車やエコノミー派(実は医師の多くはこっちです)だった場合には礼を尽くしそちらに乗らねばならないので、拘り深度は5にしています。

どこに何をしに行くときでも必ずです。まあ小さい拘りなのですが・・・

そこには一応根拠もあるんです。グリーン車って、そもそも費用対効果がすごくいいんですね。値段は倍もしませんけど、だいたい隣の席は空いています(日曜夜の上りとかは除きます)から、ただでさえ広い席を2つ分使えます。そして静かです。なので仕事が凄く捗るのですよね。移動時間が捗るのはみなさん同意いただけると思いますが、これをグリーン車やビジネスクラスにすると果てしなく捗ります。隣に変な人が来てしまうリスクもほぼゼロになります。

話を戻しますが、拘り指数は合計50くらいがいい。私はやや神経症気味ですから少し人より高いでしょうけど、50くらいです。これをオーバーする人は少し項目を減らした方がいいか、深度10のものを5とか6くらいにした方がいいと思います。

「拘り指数」、ぜひ計算してみてくださいね。これも自分の客観視の一つのツールですから。

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