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月の和名

年(とし)=稲(とし)
年(とし)は、時間や年齢の他、穀物や稲をあらわす意味も持っています。和風月名の起源については諸説ありますが、稲を収穫するまでの農作業のサイクルが12か月の月の名に変化していったというのは納得しやすいですね。


 正月  睦月(むつき) / 孟春、初春
稲の実を水に浸す「実月」
正月に家族や親類一同が集まり、睦ぶ(仲良くする)「相睦び月」
1年お最初の月「元つ月」

 二月  如月・衣更着(きさらぎ) / 仲春
草木が萌出づる「萌揺月(きさゆらぎ月)」「草木張月(くさきはりづき)」
陽気が更に来る「陽気更来」
まだ寒さが残っていて、衣を重ね着する「衣更着」

 三月  弥生(やよい) / 季春、暮春
弥(いや)=ますます 生(おい)=生い茂る
水に浸した稲の実がいよいよ生え伸びる「弥生」
暖かくなり草木が生い茂る「弥生」


 四月  卯月(うづき) / 孟夏、首夏
●卯の花が咲く月
●稲種を植える「植月(うづき)」
●苗を植える「苗植え月」

 五月  皐月・早月(さつき) / 仲夏
●田んぼに早苗=稲の苗を植える「早月」
☆小正月(1月5日)に豊作祈願のために、田植えの動作を真似る儀礼も「さつき」といわれます。

 六月  水無月(みなづき、みなつき) / 季夏
●田植えが終わって、田に水を引き入れる「田水月(たみつづき)」「水張月(みずはりづき)」「水月(みなづき)」
●「水な月」
☆「無」は「な」の当て字で「の」を意味します。


 七月  文月(ふみづき、ふづき) / 孟秋、初秋
●稲の穂が実る「含み月」「穂含月(ほふみづき)」

 八月  葉月(はづき、はつき) / 仲秋
●稲の穂が張る「発月(はりづき)」「穂張り月(ほはりづき)」●木々の葉が落ちる「葉落ち月(はおちづき)」

 九月  長月(ながつき、ながづき) /  季秋
●稲の穂が熟し刈入れる「稲熟月(いなあがりづき)」「稲刈月(いねかりづき)」
●秋の夜長から夜長月(よながづき)


 十月  神無月(かんなづき) / 孟冬
●翌月の新嘗祭のために収穫した新米で酒を醸す「醸成月(かみなんづき)」
●「神な月」
☆「無」は「な」の当て字で「の」を意味します。
雷シーズンが終わる「雷なし月(かみなりなしづき)」
全国の神々が出雲大社に集まり、各地の神々が留守になる「神なし月」という説などもあります。

十一月  霜月(しもつき) / 仲冬
霜の降りる「霜月(しもつき)」
新嘗祭の他、収穫した新しい穀物を食べる「食物月(おしものづき)」

十二月  師走(しわす) / 季冬
年が終わる「歳極(としはつ)」
農事をすべて終えた「万事し果つ月(ばんじしはつつき)」
師匠といえども趨走(すうそう、走り回る)する「師走」


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