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小満(しょうまん)Flourishing Green

小満@曆

太陽を基準にする二十四節気で立春から8つ目の節気。
天球上の太陽の通り道である太陽黄経0度「春分点」から60度過ぎました。「小満」は、自然界の陽気が旺盛になり、成長する力が満ち溢れる頃です。
草木枝葉が青々と生い茂り、麦など夏に熟する作物の穂が膨らみ始めます。

1年を1日に例えると午前10時頃。準備万端整って、やる気があふれて、集中して動ける時間帯ですね。ウキウキどんどん仕事もはかどりそうですが、気温や湿度が高い日には熱中症にも注意が必要です。

夏への衣替え

6月1日は衣替え。この日から制服が夏服になるところが多いですね。
江戸時代のように手持ちの着物を季節に合わせて仕立て直すことはないですが、夏服をチェックしたり、リサイクルへ回したり、除湿剤や防虫剤を入れ替えたり、クローゼットの大掃除にも良い機会です。

また、着るものだけでなく、生活環境も夏用に整え始めましょう。
特にエアコンの掃除と試運転は早めがおすすめ。
浴室、キッチン、クローゼット、押し入れ、タンスなどの家具など、
梅雨入りの前に、掃除をしてカビ対策もがんばり時です。

そして、体温調節上手になるように、常温や白湯でしっかり水分補給をしながら、ウォーキングやヨガなどで身体を動かして、サラサラ汗をかきやすく慣らしましょう。半身浴もたくさん汗がかけますが、暑くなったからと冷風でいきなり冷やしてしまうと、汗腺の働きや自律神経のバランスが崩れてしまいます。自然に汗が蒸発して、体温調節できるように、暑さをじっくりあじわうようにしましょう。

小満@七十二侯

初侯 | 第22候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
卵から孵化した蚕が桑の葉を盛んに食べ始める頃

蚕を飼育して、その繭玉を収穫するのを養蚕と言います。
皇居で、天皇陛下がお田植えを、皇后陛下が御親蚕をされる様子を
ニュースでご覧になった方もいらっしゃると思います。
重要な産業として、文化として、引き継がれているのですね。

蚕は野生の蛾を品種改良した昆虫です。
幼虫はエサがなくなってもあまり移動をせず、野外の桑にとまらせても餓死してしまうほど、人間の管理と世話なしには生きることができません。
繁殖用に残されるもの以外は、生糸を取るために繭は茹でられてしまいますから、目にすることは少ないと思いますが、成虫は羽がありますが退化して飛ぶことができません。口吻も無いので、食べることも飲むこともできず、オスは交尾後2~3日で、メスは産卵後4~5日で死んでしまいます。
食用ではないけれど、人間のために育てられる生きものなのです。

次侯 | 第23候 紅花栄(べにばなさかう)
紅花が盛んに咲く頃

紅花は、アザミに似たキク科の花で、茎の先端につく花を順次摘み取るところから古名は末摘花(すえつむはな)。ほかに紅藍(べにあい)、久礼奈為(くれない)などと呼ばれます。

観賞用にされるほか、色素は衣料品の染料や化粧の紅、食用色素などに、種子の胚芽に含まれる油脂は食用油に、若い芽や葉は食用に、干し花は漢方、食用、お茶にと、さまざまに活用されています。

全国で栽培可能ですが、県花に制定している山形では最上川流域を中心に栽培が盛んです。インドやエジプトなどでも数千年前から栽培されていたそうで、乾燥や暑さ・寒さに強く、家庭でも栽培しやすいそうですよ。

末侯 | 第24候 麦秋至(むぎのときいたる)
麦が熟し麦秋となる。

初夏なのに麦秋?
麦秋とは、秋に蒔いた麦が穂をつけて収穫期を迎える初夏の時期のことで、初夏の季語。穀物の収穫期や成熟などを意味する言葉として「秋」が使われます。夏の前ですが、黄金色の麦畑は確かに実りの秋を感じます。


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