★読書愛好会(60)

昨日は夜のバイトがないため夕飯作りにたっぷり時間をかけました。

近所のスーパーは夜の10時閉店ですが閉店間際にはいろんな商品が投げ売り状態になります。特に魚や肉など生鮮食品の売れ残りが安くなりますね。

ブリのアラやマグロの塊が、かなりの量なのに1パック50円とか。よし、今夜はブリ大根にするか。

アラを丁寧に処理して臭みを除去し、大根をゆっくり煮込む。日本酒、生姜を投入。大根に出汁がよく染みた頃に父が帰ってきます。キンキンに冷えたグラスに、これまた良く冷えたビールを注いで「お疲れ様でした」と。これは僕にとって大事な毎晩の儀式です。父に対する深い感謝と尊敬の気持ちをきちんと形にしたい。靴磨きもね。

父の課は先月、優勝したそうです。優勝というのは毎月行われている営業コンテストで一位になることです。優勝するとその課に10万円が支給されます。そのお金は課長が自由に使っていいルールです。父は毎回、部下四名を連れてちょっと高級な寿司屋などに行きお祝いしているようです。

管理職というのはなかなか大変な仕事なんだな、と父を見ていると思います。自分自身が働くということと、赤の他人を一生懸命働かせて大きな成果を得ることは全く別世界なんだな、と。

僕は幸い、今までバイト先で酷い上司に当たったことはないですけど、もし上司が暴力的だったり威圧的だったりしたら、すごく嫌ですよね。

ファミレスのバイトをしている時は他の女の子にいろんな体験談を聞きました。ミスをすると大声で怒鳴る上司、失敗をいつまでもネチネチと攻めてくる上司など。

男の子は「高級和食屋で、すぐ殴る板前がいたので三日で辞めた」と実に嫌な顔をして述べていました。

激しく、強く怒れば部下が速やかに、ちゃんと理解すると勘違いしている人がいますね。まるで恐怖政治ですよ。

もし将来僕が部下を持つことになったら、各自が働きやすいように環境を整え、いつも優しく接する、大いに励ます、太陽みたいな上司になりたいです。幕末の志士で言うなら西郷隆盛みたいな感じが理想です。

ところが父は「上司は優しいだけじゃダメ」と言いました。何も厳しいことを言われないことに甘え、サボる人がいるらしいです。なので父の考えとしては「褒める8割、叱る2割」がいいそうです。

人を見て法を説け、とも言ってました。部下は百人いれば人間性、考え方、性格が百通りなので部下に合わせて言葉、やり方を選べ、と。

そして、叱る場合、感情的になってはダメ。わざとみんなの前で叱るのも基本的にダメ。個室に呼んで冷静に、分かりやすく丁寧にミスを指摘する。怒るのではなく、説明せよ、そして優しく叱るのだ、と。

身近にこのような立派な、すごい先生がいる僕はかなり恵まれています。毎日父といろんな話をするのがすごく楽しいです。大学卒業に必要な勉強だけが勉強ではない、と改めて思いました。

毎晩父の帰宅がとても楽しみです。

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