見出し画像

女には論理がわからないとか言ってる男たちはそもそも論理なしじゃ一人前になれねーんじゃねーの弱いのは男の方なんじゃねーの

どうも、ザムザです。

突然ですが、「男は論理の生き物で、女は感情の生き物だ」とか「女には論理がわからない」って言い方を見聞きしたことはありませんでしょうか? これらの言い方の裏には「男性は論理的(だからスゴい)」といったニュアンスがあったりして、往々にして「女性は感情的(だからダメだ)」なんてメッセージになっていることがあるように思います。

ムカつきますね。

閑話休題。

ところで、ワイは2019年の9月16日に台湾出身のお人とLIXILギャラリーで開催されていた「More Than Reason」というインスタレーション展を見に行ったのですが、そのときに同行者と映画の話をしまして、「台湾映画には『セデック・バレ』っちゅー大作があるんやで」と教わったんですよね。

いわく、台湾の先住民は人間の首を刈る慣習があって、それは残酷そうに見えるけど実は殺した相手に対するリスペクトがあるのよね、そんな台湾先住民と日本軍が衝突した「霧社事件」ってのがあるんだけど、そのあたりの経緯を映画化したのがウェイ・ダーション監督の『セデック・バレ』なのよ。

その台湾出身者は『セデック・バレ』に偉く関心があったようで、台湾にいた頃には監督のトークショーなどにも顔を出したりなんてしていたご様子。撮影秘話なんかも知っていて、先住民たちの言語や習俗をキャストたちがわざわざ身に付けたんだぜ〜なんてことをおっしゃっていたんですわな。

ワイは「ふーん、せやねんな〜」と思いつつウォッチリストに登録してあったんですが、その二部にわたる長い映画を見たのは2020年の5月23日になったんですわな。2作で270分オーバーなのに1日で見ているあたり、ワイが夢中になったのがうかがえるんなじゃないでしょうかしら。

その映画んなかで先住民側の男たちを見送る女たちが歌っている民謡があるんですけど、ワイが「ん?」と思ったのはその歌の歌詞なんですよね。

ちょっと引用してみます。

あなたたち男は なぜ
いつも女を苦しめるの?
あなたたちが大事にする誇りは
女が与えたものだと忘れないで
男たちの名誉を織りなすのは女
勇者の証となる刺青を彫るのも女

これは第一部「太陽旗」で歌われたものなんですが、この歌詞の中には「おまえら男が大事だと思ってるものは女が与えたものだってこと忘れんなよな」ってメッセージがあるんですよね。つまり、男よりも女のがエライんだぜって視点が置かれているのですわ。

そいで、ワイに着想したのが「強いはずの女を弱いことにしておかなければならない男の弱さって何だろう?」という疑問でした。

先に挙げた「男は論理の生き物で、女は感情の生き物だ」とか「女には論理がわからない」といった男性サイドの言い分なんかはまさに「男の弱さ」に由来するんなじゃないかな〜という連想も浮かびます。

──で、ワイは以下の記事を書くことになったのでした。

例によって要約も載せておきます。

・ウェイ・ダーション監督の映画『セデック・バレ』は日本統治時代の台湾を舞台にした、先住民と日本軍との関係(とくに「霧社事件」)を取りあげた作品である。その劇中歌となっている民謡の歌詞が、「おまえら男が大事だと思ってるものは女が与えたものだってこと忘れんなよな」といったメッセージを歌っている。
・わたしたちは “女性が弱い立場にあると語られること” に見慣れ・聞き慣れている。女性への悪口に、「男性は論理的で女性は感情的である」といった対観念に由来した「女には論理はわからない」があるが、そもそもそこには “論理に頼らなければならない「弱い男」の姿” がある。この観点からは、男は弱いからこそ論理に頼って強がっている。
・人間はもともとは女性的で、女は「ありのまま」で女性でいられるからいいものの、男の場合は「女性ではない自分」を論理あるいは理屈に頼ることによって否定し、男性化という名の「理論武装」をしなければならない。これはひとつの「論理構築」であり、自然な「感情生活」を生きる女とは違って不自然なものとなる。

よーするに、「女には論理がわからない」などとヌカす男たちは、そもそも論理が必要なく存在していられる女の強さから目を逸らしているんじゃないか? ──といった観点を立てているわけです。

あ、言っておきますが男尊女卑でも女尊男卑の話にしたいわけでもないっす。ただ性別を能力的な優劣の話にしようとする言い方・考え方に「ぷ、」と含み笑いをしたかったのですわ(笑)

ワイとしては「強さ/弱さ」の対観念は尊卑を決める話にはならないんじゃねーの? ──みたいに考えているんで。

男性強者な世界観に苦しんでいる方には良いかもしれません。よろしければ読んでみてくださいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?