余市

余市

以前紹介した山﨑、白州と並んでポピュラーなジャパニーズウイスキーである余市。
マッサンの名でも知られる竹鶴政孝創業のニッカウヰスキー株式会社が保有している、余市蒸留所で作られるシングルモルトウイスキー。
竹鶴政孝はご存じの方も多いと思うが、ウイスキーの本場スコットランドでウイスキー作りを学び、その技術を日本に持ち帰る。
日本帰国当初は寿屋(サントリー)に従事しており、鳥居信治郎の下、山﨑蒸留所の所長を務めるなどしていた。
当初の約束であったらしい10年が経過した1934年に退職し、北海道余市町でウイスキー製造をすることを決意。
竹鶴政孝はあくまでスコッチにこだわり、ピートを炊きスモーキーで重厚なウイスキーを目指した。
気候がスコットランドに近く、ピートも採れることから余市町を選んだ。
その時の社名が大日本果汁株式会社。
ウイスキーは製造から販売まで数年とかかることから、当初はリンゴジュースを販売していた。
1940年に最初のウイスキーを発売し、その名前がニッカウヰスキー。
社名である大日本果汁から日と果をとり、命名した。
元々リンゴジュースは「ニッカ林檎汁」、ワインも製造しており「ニッカアップルワイン」と商品名にはニッカを付けていた。
1952年にはニッカウヰスキー株式会社へ社名変更し、今でもなじみ深いブラックニッカの第一号は1956年に発売されている。
その後は工場や蒸留所を増やしていき、ウイスキー商品次第にラインナップが増えていく。
しばらくはブレンデッドウイスキーが主体であり、シングルモルトウイスキーである余市が発売されるのは1989年のことである。

今回は余市ノンエイジを飲んだ感想を書いてみたい。
テイスティングノートによると、
香り:やわらかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実香の調和、穏やかで心地よいピート感
味わい:オークの甘さとしっかりとしたピートの味わい。麦芽の香ばしさとオレンジのような果実の調和
フィニッシュ:あたたかなオークの安佐里スモーキーさがゆっくりと持続する。


香り:ピートをしっかり炊いたスモーキーさ、甘い樽香
味わい:スモーキーさ、甘さ、ほんのりフルーツで濃厚な味わい
フィニッシュ:スモーキーさがゆったりと残る。


総評
サントリー3種とニッカ2種のジャパニーズシングルモルトウイスキーの中では一番好み。
スモーキーさはあるが、控えめで心地よく、甘さもしっかりと感じられる。
ピートがしっかり炊かれている、と認知して飲んだ初めてのシングルモルトウイスキーが余市であった。
最初は薬品臭にちょっと躊躇はあったものの、奥から感じられる甘さやフルーティさが癖になる。
ピーティで癖のあるウイスキーに興味のある人におすすめの1本だ。
余市がおいしくてさらに個性的なものを求めるならアイラモルトに挑戦するのも良いだろう。
アイラモルトは全く別次元ではあると思うが。

余市


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