アダコテックにエンジニアとして入社しました

3行要約

  • 大曽根が9月1日から製造業×AIを掲げるアダコテックで働いています

  • アダコテックがやろうとしていることは難しいが価値があります

  • 製造業で機械学習ができることはまだまだ多くありますので仲間を募集しています

はじめに

こんにちは。2022年9月1日から製造業×AIを掲げるアダコテックで働いている大曽根です。前職のGunosyは2022年8月31日に退職しました。入社し1ヵ月が経過したので入社の動機などを書き連ねようと思います。一緒に働いていただける仲間を絶賛募集中ですので、少しでも興味出ましたらTwitterもしくはMeetyにご連絡ください。また、同時入社の村井さんとの対談も記事にしていただいていますので興味ある方はぜひご一読ください!

今まで何をしてきたか

前職はGunosyという会社でエンジニアなどをしていました。筑波大学大学院で博士(工学)を取得後、サイバードを経てGunosyに入社しました。Gunosyは上場直後ともあり多様なチャンスがあり、いろいろな方の支援を受けつつニュースの推薦基盤刷新プロジェクトや事業部長などとてもエキサイティングな経験をすることができました。特にエンジニア出身で大きなユーザーを抱えるプロダクトの責任者を任せていただけたのは私の人生にとって非常に大きい経験でした。もちろん、私はまったくもって未熟な人間でしたのでいろいろな方に迷惑をかけたことは間違いないので、支えてくれた社内外の皆様に本当に感謝しております。

なぜアダコテックか

Gunosyではよい仲間に恵まれ、大きなチャレンジもできましたが、40手前になり新たなチャレンジも考え始めました。その際、懇意にしていたエージェントから全く異なる分野として紹介されたのがアダコテックでした。機械学習分野でのアカデミックな経験とエンジニアリングマネージャーの経験を持っている自分にハマる業界だな感じたのを覚えています。TwitterでCPOの武政さんとつながっていたという接点もあり、面接を進め、工場出張への同行をしたりする中で哲学の一致を感じ入社を決めました。

製造業のドメインへの挑戦

私自身、父親が製造業の大手メーカーで外観検査のソフトウェアを書いたこともあり、もともと製造業に興味は持っていました。また、人口が減少していく日本という中で労働力不足はある程度課題になることは間違いないため、その分野でこそ機械学習を用いて省力化を進めたいと思っていました。私自身も単純作業や定型化された作業は苦手なこともあり、ITの恩恵を感じるシーンが多くあります。さらに、工場では主に稼働していのは機械であるため、人間が作業しやすい環境ではないことが多い点も課題としてあります。また、コロナ禍でリモートワークが広がりましたが、当然リモートワークが難しい職種もあるため働き方の柔軟性を高めるようなプロダクトをつくりたいという気持ちもありました。

思想のマッチ

私がプロダクト開発を行う上で重要視をしていたのは「やらないことを決める」ということです。いうのは簡単ですが、やらないことを決めるためにはある程度の泥臭い作業や失敗を繰り返してきている、加えて高い事業解像度がないとできないと考えています。その点、面談を繰り返す中でアダコテックのメンバーは事業の中にしっかりDeep Diveできるなと思いました。詳細は割愛しますがCEOの河邑さんが実際に泊まり込んで検品をするなどして顧客の課題に寄り添う「三現主義(現地・現物・現実)」や、インターネットにつながっていない工場のPCで使うためにDeep Learning以外の手法を使う「枯れた技術の水平思考」など価値感が共通する点が多いなと感じました。

製造業の「コア業務」の変革に向き合う会社

アダコテックでは製造業において品質を守るうえで重要な、しかし、なかなか機械による自動化が実現できていない検査/検品を画像検査AIで解決することをミッションとしています。アダコテックは産総研発のベンチャーで、特許技術を用いて検品作業の省力化を進めています。特に製造業の検品の工程における下記の課題を解決できる点で優位性があります。

  • そもそも不良品自体がとても少ないためデータ収集が困難

  • 見逃し0%の高精度が求められる

  • 工場の環境が随時変化するため学習モデルのアップデートが必要

  • インターネットがつながっていない

  • 製造コストが乗っかってしまうので高価なGPUなどは使いたくない

詳しくは資料を採用ピッチ資料をご覧ください。

優位性があるとはいっても、私が今まで経験してきたtoCのビジネスとは異なり、多くの異なる環境で有用性を証明し、プロダクトが稼働し続けなければならないため、クリアするために多くの課題が発生します。

MLOpsの重要性と難しさ

検品をデジタルで省力化する分野においては複雑な課題が存在します。例えば、製造業の工場では、検品の要件に「傷なきこと」などの記載があったり非常に主観的な部分があります。実際に検品を定義しようとする「傷が0.1mmならよいのか0.3mmはアウトなのか」という点をきっちり具体化する必要がありますが、実際に基準は検査者の主観に任されています。また、春夏秋冬の気温変化、さらには機械の経年劣化など状況は目まぐるしく変わり、一度精度が出た検品のモデルでも性能劣化することもあります。そのような環境の中で、完成されたひとつのモデルは存在しません。そのため、ユーザー側で臨機応変に機械学習のモデルを調整する必要があります。そこで、アダコテックではユーザー側で起きている変化に対して、モデルを調整できる基盤を提供しています。しかし、ことtoBでプロダクトを提供することを考えると日本の製造業は製造ラインの自主的なカイゼンを強みにしており、それ自体がコア業務であるため、標準化されておらず、汎用的なプロダクトで解決することが非常に難しい状況です。前職のGunosyでも記事や広告のパーソナライズをするためのモデルの更新をしていましたが、toCの場合にはオペレーションも調整できますし、定義は我々で決めた指標で運用することができます。しかし、製造業の現場では上述のようにユーザーが基準を決め、調整する必要があるため、一筋縄ではいかない状態になっています。しかし、そこに価値があると考えチャレンジする意義を感じています。

データの活用

私の基本的な業務としては、会社、そしてプロダクトをしっかり成長させる体制の構築ですが、データに関する今までの経験も十分に生かせると思っています。プロダクトの利用頻度が高まり、ユーザーのログを収集することでプロダクトの体験改善をすることはもちろんですが、加えてインターネット上では収集できないデータセットをもっていることに面白みを感じています。工場では、インターネットにつながっていないため、データを貯める環境が基本的にはありません。その中でクラウド上に過去のデータの蓄積することができれば、下記のような多くの展開を期待できます。

  • 時系列での変化を検知する

  • 検査の結果(異常度など)から製造工程へのフィードバックを行う

  • 過去の似た製品のデータを用いることで検知の性能を最初から高いモデルを作成する

さらには、製造業においては世界中に工場を持っている企業も多くあるため、製造工程のクラウド上で集中管理するなど今までやりたくてもできなかったことも可能になるかもしれません。細かい点では機械学習モデルをユーザーが作成するため、モデルのバージョニングによる学習の再現性の担保や学習データの保存などを効率よく行うためのシステムの開発/改善などがあります。まだまだ、やりたいことがたくさんあるので、力を貸してください!少しでも興味が出た方はご連絡ください。

おわりに

アダコテックが解こうとしてる課題はなかなかに難しいですが、難しいことをチームで学びながら実行し、価値を出すのがスタートアップだと思っています。現在働き始めて1ヵ月が立ちましたが、チームの雰囲気も非常によく集中して課題に取り組めています。

今後も組織や会社の魅力ややっていることの魅力などを少しずつ発信できればと思います。まずはデータエンジニアを募集してますので、募集を見て興味が出ましたらご連絡ください!


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