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ばぶちゃん

ばぶばぶと しきりに空に 話すなり
我が家にひとり ばぶちゃんがいる

息子おもちくんは、お喋りである。

口から生まれたような父ゆずりなのか、はたまた書くのも話すのも好きすぎた私の祖父からの隔世遺伝か知らないが、ずっとひとりで喋っているし、目が合うとずっと喋りかけられるし、とにかくずっと喋っている。

おもちくんは気管切開しており、術前は『そんなに喋れないんだろう』と思っていたが、呼吸器の圧も味方につけ、うまいこと話すようになった。

年明けまでは、『あーぅあー』と母音のみであったが、最近、『ばぶ』『あば』とバ行が出てきた。
ST(言語聴覚士)の先生いわく、『口の筋肉がついてきた』らしい。

そのため、ずーっと、

『あう、あば、ばぶばぶ』

と言っている。

ばぶちゃんだ。

まさに、ばぶちゃんだ。

上の子たちはそんなにばぶばぶ言わなかったので(別の音にはまっていた記憶がある)、我が家のはじめてのばぶちゃん。

もっと喋れるようになるといいな、という気持ちと、いやしばらくばぶばぶ言っていておくれ、という気持ちとがまざり合いながら、今日も彼の長い話に相槌を打つのである。


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