ことばのシャワー、育つきょうだい
画面越し
ことばのシャワーを浴び浴びせ
姉たちはそだつ おとうともそだつ
本当は、GCUに移った時点で会えるはずだった。
息子・おもちくん、末っ子長男。
上にふたりの姉がいる。
姉たちは、お腹にいる時からおもちくんに会えるのをとても楽しみにしていたが、例の新型奴のため、院内シッティングが中止、窓越し面会が中止、外来フロア以外へのこどもの進入禁止・・・と、きょうだい達とおもちくんの間が、どんどん遠ざかってしまった。
そして、色々あって、一般病棟に移ったおもちくん。
直接は会えないが、晴れてテレビ電話で話すことができるようになった。
制限時間、数分。
さてどうなるかと繋いでみたところ、
『おもちくん?!ほんもの?!』
『ねー今アイス食べてるんだけどちょっといる?』
『あ、あのね、私側転得意だよ!(やってみせる)』
『私のおもちくん!』
『何言ってんのみんなのだよ!ちょっとカメラ私写ってないどいて!!』
降り注ぐマシンガントーク。
どこから声が聞こえるのかとキョロキョロ周りを探しまくるおもちくん。
大人では出せないパワーに圧倒される。
『お姉ちゃんたちの存在がおもちくんの良い刺激になると思います。早くおうちに、おうちに帰りましょう』
退院など考えられない容態の頃からNICUで言われ続けたフレーズであるが、その『刺激』とやらをまじまじと見せつけられたのであった。
そして、またそれは、幼い姉たちにとっても『刺激』であった。
彼らデジタルネイティブ世代にとって、動画サイトや録画でないテレビ電話はリアルである。
今まで動画や写真でしか見たことのない弟と、画面越しとはいえ、リアルタイムで触れ合うことができる。弟の存在を実際に感じる事が出来たのだ。
おもちくん、早くおうちに帰ろうね。
君たち3人きょうだいの化学反応を、とても楽しみにしているよ。
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