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人を動かす - 学生に読んでおいて欲しい本

自己啓発系の書籍で,私が心から素晴らしいと思っているのが,このデール・カーネギー(Dale Carnegie)の「人を動かす」だ.良い人生を送るために,どのように人に接するべきか.人を味方にし,友を増やし,心豊かな人生を送るために,どのように人に接するべきか.この本には,豊富な具体例を添えて,人心掌握の原則が書かれている.学生にも読むように強く勧めている本で,実際,読んだ学生からは圧倒的な支持を得ている.人生を変える一冊になるかもしれない.

D・カーネギー,「人を動かす」,創元社,2016
古い本なので多くの版があるが,2016年発刊の文庫版が安く買える.

私がグダグダと解説するよりも,中身を見てもらうのが一番だろう.例えば,人を動かす三原則には,以下のようなことが書かれている.

1.批判も非難もしない.苦情も言わない.
人を叱りつけるのは愚の骨頂である.他人のあら探しは何の役にも立たない.相手はすぐに防御態勢をしいて,自分を正当化しようとする.さらに,自尊心を傷つけられた相手は反抗心を持つことになり,誠に危険である.他人に恨まれたいのであれば,人を辛辣に批評してさえいればよい.その批評が当たっているほど効果はてきめんだ.人の悪口を言わず,長所をほめる.これが成功の秘訣である.
2.率直で誠実な評価を与える.
人を動かす秘訣は,みずから動きたくなる気持ちを起こさせることである.人間の持つ最も根強い衝動は,重要人物たらんとする欲求である.この欲求を正しく満たしてやることができれば,その人の心を手中に収めることができる.深い思いやりから出る感謝の言葉を振りまきながら日々を過ごす.これが,友を作り,人を動かす秘訣である.

「私には人の熱意を呼び起こす能力がある.これが,私にとっては何物にも代え難い宝だと思う.他人の長所を伸ばすには,ほめることと,励ますことが何よりの方法だ.上役から叱られることほど向上心を害するものはない.私は決して人を非難しない.人を働かせるには奨励が必要だと信じている.だから,人をほめることは大好きだが,けなすことは大嫌いだ.気に入ったことがあれば,心から賛成し,惜しみなく賛辞を与える.」(チャールズ・シュワッブ)

「どんな人間でも,何かの点で私よりも優れている.私の学ぶべきものを持っているという点で.」(エマーソン) 
3.強い欲求を起こさせる.
人を説得して何かをやらせようと思えば,口を開く前に,まず自分に尋ねてみることだ.「どうすれば,そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか」.これをやれば,自分勝手な無駄口を相手に聞かせずに済むはずだ.常に相手の立場に身を置き,相手の立場から物事を考えることを学べば,成功への第一歩が既に踏み出されたことになる.

「まず相手の心の中に強い欲求を起こさせること.これをやれる人は,万人の支持を得ることに成功し,やれない人は,一人の支持者を得ることにも失敗する.」

この三原則だけでも,すぐに自分の行動に取り入れることができて,しかも効果が出るように思わないだろうか.ちょっと1分間くらいでいいので,今日(あるいは最近)の自分を振り返ってみて欲しい.

悪口を慎み,誰かの長所を誉めてあげただろうか.

感謝の言葉を伝えまくっただろうか.

相手の立場になって考えてみただろうか.

この他にも,本書「人を動かす」でデール・カーネギーは,人に好かれる六原則,人を説得する十二原則,人を変える九原則を紹介している.どこれこれも本当にそうだなと思えるものばかりだ.

繰り返すが,「人を動かす」は非常にお勧めの本で,昔も今も研究室の課題図書に指定している.まだ読んでいない人には,とにかく読んでもらいたい.

D・カーネギー,「人を動かす」,創元社,2016
古い本なので多くの版があるが,2016年発刊の文庫版が安く買える.子供に読ませるなら「マンガで読み解く 人を動かす」がいいかもしれない.これも自宅には置いてある.

デール・カーネギーの名著3部作

D・カーネギー,「人を動かす」,創元社,2016
良い人生を送るために,どのように人に接するべきか.人を味方にし,友を増やし,心豊かな人生を送るために,どのように人に接するべきか.この本には,豊富な具体例を添えて,人心掌握の原則が書かれている.
D・カーネギー,「道は開ける」,創元社,2016
誰もが抱える悩みの原因を分析し,悩みを克服するための具体的かつ実践的な方法が,豊富な実例とともに紹介されている.
D・カーネギー,「話し方入門」,創元社,2016
人前で上手に話すための秘訣として,人に伝えたいと切望するものがあること,周到に準備をすること,練習に練習を重ねて自信を持つこと,始め方と終わり方に注意すること,わかりやすく話すこと,そして,美しい言葉を身に付けることなどが挙げられている.

© 2020 Manabu KANO.

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