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医師がバイトをする上で気をつけるべき3つのポイント


はじめに

勤務医として働きながら、もしくは大学院で研究をしながら、土日や祝日を使いバイトをしている医者は多い。
H29年時点での勤務医師の平均年収は1696万円平均月収106万円とは報告がされているが(厚生労働省調べ)、20-30代でなかなかその額に到達している医師は多くない。
また、新専門医制度の導入により、多くの医師が大学病院や規模の大きな市中病院での後期研修を行わざるを得なくなった。
今回の記事は初期研修終了後の医師、環境が代わりこれからバイトを考えている医師を対象に、注意点、おすすめポイントを記していく。

1.医師のバイトは確定申告の対象となる

一般のサラリーマンであれば、会社側で年末調整を行なっているため確定申告が不要となるが(副業を行なっている場合は覗く)、国税局によれば下記のものは確定申告が必要とされている。

次の計算において残額があり、さらに(1)から(6)のいずれかに該当する(計算)
1 各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引いて、課税される所得金額を求めます。
2 課税される所得金額に所得税の税率を乗じて、所得税額を求めます。
3 所得税額から、配当控除額と年末調整の際に控除を受けた(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を差し引きます。
(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える
(2) 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える
(3) 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える
※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。
(4) 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた
(5) 給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた
(6) 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている

故に、バイトで得た給与所得もその対象であり、確定申告を行わなければ脱税となってしまう。
もっとも、医師の各外勤先により源泉徴収額が高く設定されている病院もあり、筆者の直近2年間の確定申告では70-100万の過払金が戻ってきているため、確定申告=税金を余計に払うといった関係ではないことは頭にいれておくべきである。また、節税のポイントに関しては別noteで記載予定である。

2.提示されている金額の0.6-0.7倍が手取り収入である

たとえば内科当直バイト(17:00-翌日9:00)6万円の提示バイトがあったとする。その際、本当の手取りはどれくらいになるのだろうか。
結論から言うと、年収にはよるがおよそ0.6-0.7倍だと考えていた方が安全だ。詳しい内容・計算方法に関してはまた別のnoteにて記載を予定とするが、1回のバイト代は思っている以上に安くなる。翌月の給与明細には5万5千円程度で入っていることが多く、頑張った甲斐があったなと思う反面、代償は年末や翌年の住民税に持ってかれることが多いので、目論見が外れて貯金が思ったよりも貯まらない原因となる。

3.時給計算・バイト内容を吟味する

多くの医師ができるバイト内容で、割が良いものを3つ厳選した。
1.コンタクトバイト
メリット
はとにかくみる患者が少なく、訴訟リスクが少ない。また、都内〜郊外まで幅広く求人をされていることがあり、初期研修終了後の医師にはおすすめのバイトである。デメリットは拘束時間が少ないことと、郊外の募集の方が多いこと。相場は時給8000-12000円で2-3時間程度となる。


2.美容問診バイト
こちらも問診のみであり、実際の処置を行うわけではないので、非常におすすめ。メリットはインターネットも完備しており、問診の合間に論文や執筆、読書などなど有意義に使える。デメリットとしては患者さんに美容での注意点を若い女性にプレゼンする必要があるので、あまり若い女性と喋り慣れていない先生には不向きだろう。相場は時給8000-9000円で8時間程度。

3.日当直バイト
医師として勉強した内容を遺憾無く発揮できるバイト。いわゆる寝当直のような管理バイトから、一人で1-2次救急対応を行う本格的なバイトまで様々。
メリットとしては、このバイトが一番稼げる。というのは時間が許せば金曜夜〜月曜朝までなどの勤務が可能だからだ(筆者の日当直バイトは土曜夕〜月朝で30万以上)。たとえば民間医局MRTなど豊富な医師バイト斡旋業者があり、スポットの検索はルーチンで行なっている。
時給としては日中10000,夜間は6000-8000円で募集していれば良心的な値段設定といえる。
デメリットとしては、自病院との関係で入り明け時間の調整、体力がやや必要になってくる、診療するうえでのリスク(コロナへの暴露、医療ミス)などはどうしても指摘せざるをえない。


終わりに

バイトをする際に気をつけないといけないポイントを簡単にまとめた。
若いうちは時間を労働に変換させて資金を貯めつつ、その資金をもとによく遊び、時には痛い目もあい、医師としての深みを出せていければよいと思う。一方でバイトばかりに勤しむと、本業や家庭にも支障がでることがある。家で寝てるくらいなら美容やコンタクトのバイトに行きつつ、その合間時間で論文や勉強をするといった時間の使い方がcoolで、まとまった資金が必要な時は時間を投資する代わりに日当直バイトをするのがよいだろう。
さらには、目の前の収入が見せかけの収入にすぎないことを頭にいれて、年単位の収支を勘案できれば資産家への道は近いだろう。

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