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【病院で働くということ】・・・Vol.19:病院とホスピタリティ

ホスピタリティの語源

「ホスピタリティ」の語源は「客人の保護者」という意味を持つラテン語「hospes=ホスピス」と言われています。
 
 体調を崩した人の手当てをすることを総称して「ホスピス」と呼んでいた背景から、「心を込めた厚意」「手厚い看護」などの意味が転じて「おもてなし」となったのが「hospitality」です。

 ちなみに「hospital=病院」も「hospes」から派生した言葉といわれていますが、いまではホスピスといえば「緩和ケア病棟」をイメージすることが多いのではないかと思います。
 
 いずれにしても「ホスピタリティ」とは心を込めたおもてなし、温かい気遣いと理解されていると思いますし、これは病院ならずともすべての業種に求められていることかもしれません。 
 

病院におけるホスピタリティ

 病院においては、病気を患ったり、怪我をしたりした人が訪れる場所ですので、ホスピタリティがその名の通り、最も必要とされるべき場所であることは間違いありません。
 
 とかく忙しい病院では、そこで働いている人間がこのホスピタリティを忘れてしまいがちです。余裕がなく、心がギスギスした状態ではホスピタリティは提供できません。
 病院経営・運営において、可能な限りそれが発揮できる環境を整えていくことも大切な要素です。
 

医療者もホスピタリティを受ける場面

 一方で我々医療者も、ホスピタリティを病院という空間において患者さんやご家族へ提供することにより、逆に元気づけられたり癒やされたり、といった心温まる状況に出会えることがあります。
 
 患者さんが元気に退院されたとき
 ご家族から心からの感謝を伝えられたとき
 厳しい状況を乗り越え、患者さんが回復し笑顔をみせてくれたとき

 
 この仕事をしているとつらく苦しいことも多いですが、ほんのちょっとした瞬間に
 
 「この仕事をしていて良かった」

と思える場面に立ち会えることがあります。
 
 ホスピタリティを提供するのが病院の使命ですが、我々も仕事を通してホスピタリティを受けているのではないかと思う瞬間です。

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