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【怪異譚】赤い光

 新潟県で会社経営をしている桑村さんから聞いた話だ。

 夏の夜、20時くらいに国道49号線の咲花温泉のあたりを車で桑村さんは走っていたそうだ。
 近くには遊園地があり、ライトアップされていなかったが、月明かりで観覧車のシルエットがうっすらと見えたらしい。
 
 その観覧車の後ろには、五頭山系の宝珠山という山がある。
 標高は559mとそこまで高くはないが、山頂までのアップダウンが厳しく、道中の景色もあまりよくないため、登る人は多くない。

 桑村さんが車に乗りながらふと観覧車を目にした時、その宝珠山の山頂付近に赤い光が見えた。
 大きさは月よりも大きかったというから、かなりの大きさだ。

 「なんだ、あれは?」と桑村さんは驚いて、あわてて自動車を端に寄せて停車したという。
 巨大な赤い光の玉は山頂から中腹あたりまでスゥーっと降りていき、消えたそうだ。
 時間にすると5秒くらいと、あっという間というよりは長めの時間だったそうだ。

 あの謎の光は、いわゆるUFOとしか思えないと桑村さんは言っている。

 実は、新潟県には、この手の赤い光の情報が多い。
 一番古いもので言うと、平安時代の記録に”天灯”という赤い光の玉が日本海より登ったという記録が残っている。
 この他にも、不思議な光が空から山に落ちて、聖地となったという伝説が残っているところがいくつもある。
 有名なところでは、宝珠山がある阿賀野市の”旦飯野神社”や十日町市の”鉢の石仏”などだろうか。

 日本海側には、古代よりUFOの発着基地があったのだろうか。

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