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東大×藝大デザイン団体がこだわり抜いて最強の模擬店を作った話

はじめまして!
「焦がしやレモン」店長のritar(東大2年)と、ブランディング担当のみさもり(東大2年)です。

今年の五月祭で私たちdesigning plus nineは「キャラメリゼのお店 Kogashiya Lemon(焦がしやレモン)」を出店しました。

お店の外観はこんな感じ。

IMG_3365一女記事リタッチ済み

お店の外観からパッケージ、隅々まで一つのコンセプトに沿って作り込んで います。

少し自慢をさせていただくと、
売れすぎて困っちゃうくらいの大盛況でした🎉

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長蛇の列

今回の記事では、私たちがどのように「焦がしやレモン」というお店をデザインしたのか、全部見せちゃいます。


🍋焦がしやレモンの自己紹介

焦がしやレモンは、おそらく史上初のキャラメリゼ専門模擬店です。

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黄色で統一されたお店が目を引きます


このお店で販売していたのがこちら。

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メニュー表

花の名前を冠した、3種類の創作スイーツです。

四角いマドレーヌにレモンやマーマレードを乗せ、キャラメリゼ(砂糖を炙って焦がし固めること)したものを、ハンバーガーのように二段三段に重ねています。

こだわりポイントは、お客さんの目の前でキャラメリゼすること
できたてほかほかを楽しんでもらいました。

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砂糖をじゅわじゅわ溶かして、パリパリの香ばしいキャラメリゼにします

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完成した商品

店長ritarを含むメニュー開発班が、1日3食マドレーヌ!マドレーヌは白米!と一ヶ月半死ぬほど試作を繰り返し、ようやくたどり着いたこだわりのレシピです。

「パリパリほろ苦いキャラメリゼ」「ふわふわ甘いマドレーヌ」「ジューシーな酸っぱいレモン」のハーモニー、正直出店のクオリティではありません。

残念なことに、noteでは味をそのままお伝えすることはできません。どうぞ目で見て楽しんでくださいね。


💣圧倒的なビジュアルのつくりかた

焦がしやレモン、”映える”んです。この章では、私たちがどうやって”映える”お店を作ったのか、詳しく解説していきます。

note_立て看

立て看板

わたしたちdesigning plus nine (dp9) は、普段は好きなデザインをしたり、お仕事でポスターやWebのデザインなどをさせていただいたりしています。
東大でデザインにおいては、絶対に一番をゆずれません。
たかが出店、されど出店。ロゴ・外装やメニューまであらゆるお店の見た目に、dp9のデザイン力を全力投入してできたのが「焦がしやレモン」です。

ここでは、この映える見た目がどうやってできたのかを大解剖していきたいと思います。


「焦がしやレモン」の“映え”を大解剖

焦がしやレモンの映える見た目はこのようなステップで作られました。


🌏ステップ1 ブランディングコンセプトづくり
📍ステップ2 アイデンティティのデザイン
         ロゴや用いるメインのカラー、柄パターンなど
🛠ステップ3 ロゴ以外の制作物のデザイン
          外装、立て看板、ビラ、メニューなど


🌏ステップ1 ブランディングコンセプトづくり

今回の”映え”を成功させた鍵を握っていたのが、ステップ1の「ブランディングコンセプト」です。(お店のブランドを作るにあたっての指針です)

ブランディングとは何ぞや?という人もいるかもしれませんが、ここではお店の「雰囲気」を表現することです。最終的に完成したお店がどんな見た目・イメージになるのかを、言葉で表して共有し、それを地図にしてお店のあらゆる見た目を作っていきます。
つまり、あらゆるビジュアルを作る核となり、地図のような存在だったものです。

そんなコンセプトを決めるために、まず、お客さんに喜んでもらえるような店舗の雰囲気をキーワードで表します。

ブランディングのコンセプト (1) 📝キーワード

キーワード:「ポップ」「トキメキ」「シンプル」「レトロ」「French Diner」
・落ち着いてるというより活発
・男性的というより女性的
・和風というより外国風(特にフレンチ)
・レトロ感がありつつ一周回って今っぽい

ここでターゲットを「高校生~大学生の若い女性」に決定。

最近女子の間では何が流行ってるの?ということで、ベンチマークになりそうなお店を3つ見つけました。

(参考1)Tapista
“French Diner”をテーマにしたタピオカ専門店。レトロ感がありつつ、色遣いや装飾がシンプルにまとまっていて今っぽい可愛さがある。
(参考2)LEMONADE by LemonicaLEMONADE by Lemonica
レモンのイエローで活発なイメージをふんだんに使って統一しているのが特徴的。ネオンやスッキリとしたフォントでスタイリッシュな今っぽさがある。
(参考3)チーズタルト専門店PABLO
イエロー×ブラックのハイコントラストなカラーリングが目を惹く。装飾は比較的多めで、遊び心がきいてる

リサーチの結果、私たちの商品とイメージが近いこと、最近若い女の子たちの間で人気であること、そしてコンセプト軸がしっかりしていることから、これら3つのお店を参考にすることにしました。

ブランディングのコンセプト(2) 📌ムードボード

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デザイン認識の違いを防ぐために、キーワードだけでなくムードボードを作り、視覚的にコンセプトを仲間たちに共有しました。

ブランディング班の持つイメージを、とことん正確に伝えました。特にキーワードは何度連呼したことやら。


👩‍⚖️「ちょっと"トキメキ”、足りてないかも?」 
👨‍💻「もうちょっと“シンプル”な方がいいな!」

たくさんのメンバーで関わって作っていくものだからこそ、統一されたビジュアルを作るためには、言語化したキーワードをみんなで共有することが欠かせませんでした。

最初にご紹介した「焦がしやレモン」の店舗を見て、「めっちゃ黄色!!!!!」と思われたかと思います。実際「あの黄色いお店ね」と覚えてくださっていた方も少なくありませんでした。

実際に、めちゃくちゃこだわったのがここなんです。お店の見た目を徹底的に統一すること。


📍ステップ2 アイデンティティのデザイン

アイデンティティとは、ロゴや用いるメインのカラー、柄パターンなどのことです。
”キャラメリゼという未知の商品をいかに伝えるか” が、アイデンティティ決めの大きな課題でした。

まず、店名を ”キャラメリゼ専門店焦がしやレモン” と決めました。早速ロゴを作ります。

できたロゴがこちら。

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ではどうやってこのロゴに辿り着いたのかというと…

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「レモンのキャラメリゼ」から連想できる、黄色・焦げ茶色を最初に用いるカラーとして選びました。
アルファベットのロゴタイプだけではキャラメリゼのイメージを伝えきれないと感じ、ロゴモチーフを漢字の「焦げる」に仮置きして作ってみます。

うーん、なんか足りない!

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ウェイトが重すぎず、滑らかさを演出できている。主張が激しすぎないので自然にロゴマークを引き立てている。それでいてレトロな雰囲気を出している。この3点から、Magnoliaというフォントを選びました!

「ポップ」「レトロ」「ときめき」のイメージに合いそうなフォントに出会うことができました。
ここから微調整を重ねていきます。

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こんな変遷を経て、「焦がしやレモン」のロゴは誕生しました!


ロゴや店名ができたあとは、お店の見た目のアイデンティティになる他の要素を決めていきます。
「焦がしやレモン」らしさ=ブランドを作る要素として、カラーパレット・パターン(模様)・キャッチコピーを考えました。

イメージカラーはもちろん、レモンの黄色とキャラメリゼの茶色。

色だけでは味気ないので、アイデンティティに味をつけるパターンを検討します。
最初の案にあったようなドットやストライプ、総柄なども候補に出ましたが、
・レトロかつポップ、シンプルである
・キャラメリゼのマドレーヌと同じく正方形で商品のイメージに関連する
という理由から、最終的に決まったのがブロックチェックです。

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ブロックチェックは色が暗く濃く見えるので、カラーパレット(下)では、ブロックチェックに用いる明るめの茶色を別個に設定しています。

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そして1時間の熱い議論の末、キャッチコピーを設定しました。

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・キャラメリゼの要素を伝える
・「ほろ苦い落ち着いたキャラメリゼ」と「はじける甘酸っぱさのレモン」のイメージを同居させる
の二点を意識して設定しました。


これらのコンセプトやロゴなどを材料に、デザインを作るとこんな感じに!

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お店の外装や立て看ビラのデザインはこのブランディングをもとにデザイン作業を進めていきました。(🛠ステップ3のロゴ以外の制作物のデザインの制作過程は割愛)


🎗当日までのこぼれ話

さて、そんなこんなで美味しそうなビジュアルとなってデザインサークルとしては大満足なのですが、そもそも模擬店でキャラメリゼを販売するというのは前例がありません。実はとっても大変なんです。

例えばキャラメリゼの調理に欠かせないガスバーナー。本来手持ちで使うものなのですが、固定されていない火気を使用するのは五月祭委員会的にも消防的にもアウトです。

でも、キャラメリゼを売りたい。ということで…

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鉄板溶接しちゃいました。

こちら、dp9謹製ガスバーナースタンドになります。

高さ調整機能付きのガスバーナースタンドを学園祭のためだけに自作したサークルはさすがに前例がないでしょう。
dp9、やはり熱意とこだわりでできています。あと藝大生つよすぎ。


他にもこだわりの実現のためにいろいろと自作したものがありまして…。

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dp9ロゴ入りのエプロン(縫うところから自作)


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フォトスポット看板(藝大でレーザー刻印)


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キャラメリゼを包むパッケージ(1000枚以上手で折りました)

パッケージ折りは前日の夜まで及び、メンバーの家で音楽を聞いたり料理をしたりしながら、楽しく・かつ死にものぐるいでひたすら折りました。

たった2日しかない五月祭。それでも、最高の出店を届ける!という共通の目標のもと、メンバー一丸となって準備していきました。


そして迎えた当日

こだわりにこだわり抜いた焦がしやレモン。ここまでやってお客さんが来なかったら五月祭委員会を訴えます。果たして結果は…?

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大盛況でした!

むしろ大盛況すぎて本当に大変でした。このときはマドレーヌが品切れして一時注文を停止しており、注文を再開したら5分でこの行列です。おかしい。

あまりの品薄で仕入れたマドレーヌが足りなくなり、秋葉原から川崎・横浜まであらゆる成城石井でマドレーヌを買い占めるというイベントも発生しました。

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スーツケースいっぱいにマドレーヌを詰めて持ってくる買い出し班

最終的には、前日までの仕入れ900食に対し、販売実績1400食という結果になりました。本当にありがたい限りです。


大変な五月祭でしたが、お客さんの言葉で疲れも吹っ飛びました。

・お店を見かけて「かわいい!」と指差してくれる方。
・通り過ぎながらも立て看板から目が離せない方。
・「このお店、本店はどこにあるの?」と聞いてくれる方(五月祭だけでごめんなさい)。
・フォトスポットで写真を撮って、ハッシュタグつきでSNSに載せてくださる方。
・持ち帰って知り合いに届けるといって10個近くまとめ買いしてくださる方 (複数)
そして、
・キャラメリゼを食べて「美味しい!」と笑ってくださる皆さん。

ご来店していただいた皆さんのおかげで、「五月祭で一番すてきな出店」になりました。
細部までこだわり抜いた結果、お客さんが喜んでくれたのは、本当にメンバーの努力が報われたなと思っています。

改めて、焦がしやレモンに関わってくださったすべての皆さん、本当にありがとうございました!

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そして、今月の22日(金) - 24日(日)には、東大のもう一つの学園祭である駒場祭が開催されます。もちろんdp9は駒場祭も出店しますよ。

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その名も " cafe 虹茶 "。

今回も、商品とクリエイティブにこだわり抜いています。正門を入って正面の建物、1号館115教室で一同お待ちしておりますので、是非お越しください。

駒場祭、そして来年の五月祭も。
一番すてきな企画をつくる dp9 に、どうぞこれからもご期待ください!

文: ritar, みさもり(東大, 2018入部)

designing plus nine / 公式Web: http://designingplusnine.com / Twitter: https://twitter.com/dp9_official / お仕事のご依頼や入部希望は公式WebもしくはTwitterよりお願いします。

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designing plus nine は東京大学と東京藝術大学の学生を中心としたデザインサークルです。 noteでは制作物や普段の活動などを発信します! デザインの依頼や入部希望はTwitter https://twitter.com/dp9_official までどうぞ。