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蜜柑と檸檬に甘夏は樹に実をつけるすなわち、若峯覧

彼女を語るには、あまりにもエネルギーを必要とする。なぜならば京極甘夏はエネルギーそのもので今もなお膨張し続ける宇宙であって、もちろん可能性の外側に出るには、いや未来とか時間とか光とそう言う曖昧な物質で、価値観で存在。
だからこそ本当に彼女の事を知りたいのであれば本人に会うのが一番かな。

僕は間違えなく、嘘偽りなく、もちろん虚勢や見栄もあるだろけど、理解したつもりで、知ったふりで、本質には、彼女自身は彼女しか理解できないから、それでも同じ時間を近くで、過ごして、感化や刺激や叱咤激励をされてきたのだから、そのことだけについては君に話すことができるだろう。
でも間違っても彼女の、京極甘夏のようになりたいなどと言ってはならない。
少しでも彼女の近くにいれば、エネルギーの限界点なんてかっこいい言い方すれば、聞こえはいいが、壊れる、かもしくは絶望を克服するか二つに一つだろう。

だから僕は未来を克服する為に、自らの力で絶望を変換して、進むべき、歩むべきところへと歩み出さなければならない。

春を克服して、この日を別れの日ではなくてもちろん出会いの日でもあってはならい。いつもの日常へと帰化して回帰する為に。

京極甘夏にとってそれは日常であった。
常に空にいる為、地上に戻ってきて、あまりにも重量が重たいことに初めていや意識していない、普段なら意識もせずにまた当たり前に、息を吸って吐くように、無意識に、ふいにそのことに、その言葉を思い出すように、彼はそこに立っていた。だからその瞬間、またあの頃のように当たり前に、でもそれでも何もかも、全てにおいて
時間が解決するなんて、でも止まれなかった。
言葉を飲み込もうとしたけども、私自身の甘さで、自己の幼さ。

でも、やっぱりここにいるんだね。

彼はいつものように、相変わらず、いや彼は変化とは無縁の人間であったのに、まるで自身の欲を変換するように。

僕は変わらない、周りが変わるだけで。

知ってるよ。どんな顛末に、結末になろうとも。

出逢ったあの頃と同じように。
彼は今日と同じ平日の昼、普通なら学校という可能性の内で閉じこもっているはずなのに、
平穏という名の絶望を、理想的な免疫をなくす為に。誰もが力を持て余すことすら理解しているが、彼はそれを許さない。

何でこんなところにいるの?

河川の土手に座り込む彼に私は話かける。
その時はまるでこんなにも不思議で、掴みようない存在であるとは知らずに、ただそこにいる好奇心で、いや気まぐれで

先輩こそ、みんなの憧れの、京極甘夏先輩こそどうしてこんな僕みたいな、どうしよもない生徒に声をかけたのですか?

六割の敵意と三割の偽善、一割の好奇心がその声にそう反応した。

きみなら、何てたられば、言いたくはないがもちろん悪い意味でね。ただ助けて欲しい生徒がいるんだ。私の大切な、かけがえのない、妹が困っているんだよ。

彼には、若宮檸檬にはその為に、これから踊ってもらう為に。

僕は先輩が言っている事がわからない。

わからなくていいよ。いやでも、いや半強制的に、もう舞台の幕は上がった。君と私がここで、こんの瞬間、前触れもなく、私が意図ぜずとも、もう止まれない、サイコロは、匙は投げられたから。

まるですべて知っていて、何でも先輩自身の都合よく動くとは、思わないでください。

彼は知っている何故ならば、若宮檸檬はそう言う存在で、生き方
正しくもないし、偽善でもない。
いいやつでもないし、そう言う奴。

でもさ。運命の歯車は回転は止まらない。
だから私は静かに、風になびくように。
緩やかにそれでも確実に、
この平穏からの脱却と可能性をもう一度ふりなおす。私が使えるエネルギーはもう3回ともないのだから。それでもその選択肢が最善でなくとも、最良で、最適ではなくとも最も、その場にあった、モノであるので、あるならば、

私もここでケジメなんて言いたくはないけども、それでも頼んだよ。蜜柑のこと。
私は何もできなかったけど。

彼は何も言わずにただ頷く。風に誘われるように頷く。彼は止まらない。即ち私たちはもうとまることはできない情熱を血として変化させて。
彼に恥じぬ生き方をしなければならない。
彼女になんて言われるか心配もあるが、それでも
生きて、もちろん息を吸って吐くだけで鼓動は止まらないし
めぐる運命の別れをしまこんで
いやもちろん理解している、
この出会いが、彼にとっても私にとっても、彼女自身にとっても。

克服と國復、春再び。彼女は卒業していった。
当たり前に、僕たちに託して。
いや繋いだと言う表現がだだしいだろう。
もちろん、最後に会うのは、いつもの場所で。
こんな季節だから言い訳通じなくらい知っている。
多分何十年経っても、その瞬間彼女と、あの場所であったらきっと思い出す。
思い出して、すぐに、あの時に戻れる。

まかせろなんて僕らしくない。だから頷く。
風に煽られる、目を閉じれば、みんなの顔が浮かぶ。
誰一人、忘れないなんてあの頃は言い合って
なのにたった数年で、されど時間が僕らをどんどんとかけ離す。
どんどんと、あの頃の1年はもっと長く感じたように
薄れてていく感覚。
それでも彼女と僕の選択は、先輩曰く、最善ではないかもしれなが
最良であると言える。
これから限られた、制限の中で選択を迫られる。
だから転びかたを覚えて、うまく転がり、踊るしかないじゃない?
そうそうだった。

でも僕はいつまで経っても、年をとるだけで、大人にまだなれない。
もちろん経験とか、その場を凌ぐ、小賢しいやり方ばっか
覚えて、転んだ時に、立ち上がるまで時間が、かかるようになってしまった。
踊ることも、足がおぼつかない、ただの酔っ払いになってしまって
弱さだけが僕を蝕む。それでいいとも彼女は言うだろうけども
ただしっかりと、確実に、消化不全を心のどこかで起こしている。

だから、消化するために、もちろんこんなにもあたり前で
なにも変化が見えないかもしれなけども、
それでも僕がこの手に、抱えた全ては最良だった
そう思いただけ。

頼まれた日 僕は、御宿蜜柑と久しぶりに邂逅する。
彼女は僕を見て、

私ってこんににも、君に信頼していたんだ

放課後、教室。やけに眩しい夕焼け。
窓からは夕陽の日差しがさす。教室には僕と蜜柑だけ。
僕は椅子にかけて、彼女は教室の入り口で立っている。

ちゃんとお礼はいったから。

知ってる聞いた、君にしては、もう私は止まれないから。
だからちゃんと助けてね。

そのつもりだし、もう言い訳とか、言葉を紡ぎ続けることはやめにしたんだ。
言葉を交わして、話して、理解し合うそのために。

いいよ、さっき同じこと聞いたから、
レモンが言いたいことはわかっているから

知っていて、理解していても、聞いてほしい。
僕は君を助けないし、手を貸すこともできなそれでも
蜜柑の近くにいて、話を聞くこともできるし
挫けてならば、一緒に立つことも。
だから。

彼女が卒業式で私たち、特に私と彼に向けて、一言
式に出ている彼と私以外には伝わらない
代表の言葉を読み上げて、今日しかないだっとわかった。
今日この瞬間が必ず私に彼は、檸檬は私のところにくるだろう。

卒業式 答辞

君らに送れる言葉は一つしかない。
私かの最後の、最後のつなぐ襷は君たちに
君の幸せを常に願って、ヒカリはも君の隣あるから。
私もそのヒカリをつかもうとしたし、
何よりもそれが幸せだと思った。
でも今もな、私にとってもかけがえのない何かはここにはないと
わかっただから。

だから。
その交わした言葉だけで、それだけ。僕らはも一度歩く
すなわち僕らは歩みをづづけて、転んでも
風であろうとも、雪であろうとも、どんなことがあっても。

雪と言うにはみぞれに近い、そんな天気。
私は彼と歩く。シンシンと降り積もる。
アスファルトの上には、雪とは言えない、シャーベット状の水をすこんだ
みぞれがつもり重なる、靴に染み込む。冷たい、つま先がどんどん冷えていく。
彼の顔を見えなし、日が暮れて、暗くなった坂道をそうあの丘の上にある学校を目指して、
もう閉じられた門だけが寂しく残り、
それでも、あの頃よりかは少しは
ほんの少しは、確率の外側、可能性のサイコロを振り直すことができただろうか?

彼女に会えばわかること。
檸檬はそう言う。駅で落ち合った時も、変わらずなにもだから私はいった

そうだね。ただ僕は変わらない未来なんてないと確信して言える。何度も何回でも生きるってことは、克服の連続で、それを人は奇跡と言ったり、運命とか言ってみたり、まぁ未来から見た過去の記憶を美化ではなくとも、すべてにおいて意味があると証明し続けてなければならない。それが生きて、生きて存在理由だと僕は思うけどね。

夜、深夜の入口彼と私はこのいつまでも、前に進めない、私を連れて、彼と出会ったあの場所に着く。
まさにまだ冬の風が私をもう一度あの頃に戻すように、それでももう二度と戻れないし戻るつもりもない。

学校の正門は硬く閉ざされている。
ただ外から外観は何も変わっておらずそれでも確実に年月だけが流れて、桜の樹は蕾をつけていつでも咲ける準備をしている。

この瞬間と出逢いに幸あれ

この瞬間と出逢いに幸あれ

僕は久しぶりに彼女と会ってあいも変わらず、君らしくて安心したと言われてそれでも僕らの関係は何も変わらない。

夜の街を、シンシンと降るみぞれの中、彷徨うようにでも僕らが向かう先は一つだけ。そうあの丘の上。坂の勾配を登り、歩いているだけで息が詰まるようになってしまった。

もう何年になるの?

十年ちょっとかな。
それはお互い道は違えどここに戻ってくるわけだ。 

先輩が、あの先輩が、驚いたよ、私たちの中で一番初めに家庭をもつとは。

そうだね。それ含めて今日この日に会うでしょ。
僕は彼女、蜜柑に向けて白い息をきらしながら、そう言う。そう言いながらそれでも確実に丘の上に一歩、一歩歩む。

言葉を交わさずとも空間の計り方は忘れていない。空気を読んで、ないも喋らずに僕らは黙々とシンシンと降る雪の中歩む。
みぞれは雪へと変わる。誰が望んだわけでもなく街を、久しぶりにやってきた街を染めていく。僕の知らない、見ないふりをして来たこの数年、まるで焦るように、確実に囚われるようにそれでももう一度、彼女らに会うときにきっと胸を張って、これだけ僕は生きてきたなんて自慢何てらしくないが、それでも、そう狂って
酔っ払って足がおぼつかなくとも、
僕は、もう大人にならなければ、いやもう誰がどう見ても大人で、社会の歯車で
そう決められたように、自身の選択で、もちろん往々に失敗と挫折と曲がり門がある。
そうして怪物とかして、死を受け入れるだろう。

何度も、彼女とそんなくだらない、どうでもいい話を
この校舎で、学舎で交わした。

よっ久しぶり、檸檬に蜜柑
と静かに門の前に彼女、京極甘夏はそこに、まるで卒業式のあの瞬間のように
任された、託されたバトンをもらった時と同じく。

久しぶりです先輩。おめでとうごいます。
そう卒業式と同じく、僕は同じ言葉を

彼女は苦笑いしながら、そうして御宿蜜柑と対面する。
卒業式以来に僕ら三人はこの学校の正門の前で再度
再び出逢う。

これが最良であると信じているから。
そう先輩に言われて僕はどうしよもなく、知っていて
その選択を僕がとれないことをわかっていて、理解していてそれでも
彼女は、甘夏は僕に蜜柑を託して卒業していった。

助けてねちゃんと私を。
しっかりそう彼に私は伝えた。

正門で彼と彼女のやりとりを見ていて、すぐにわかった。
京極甘夏はそう言う人間だ。

私に何もかもを与えて、押し付ける。自由人で、気まぐれ屋。
尊敬すべき、先輩で、もっとも私が越えなければならない人である。
卒業式の前日に私は先輩と会っていた。
そう彼女自身に呼び出しを食らって、いつもの教室で、放課後であった。彼女はそこに、立って、私が来た時分かったら、軽やかに、今まで積み上げて来た事を明日と言う日に区切りを、一息つくように私に託して、置き土産なんて言い方は洒落にもならない。

どうにか卒業できるよ、蜜柑と彼のおかげで、あまりにも悪ふざけが過ぎてしまった。楽し過ぎて、もう後悔はないっていえるくらいしっかり過ごせたよ。

先輩達のおかげでこの学校にも文化が再び、芽吹きって送辞の始まりのことばこれでいいですか?

そんなのあのインチキ教師に聞きな、私が言いたいのはただ一つ
樹に実をつけるには、あまりにもまだ未熟だから、世界を見ることにしたんだ。
だからこの選択は蜜柑と彼に逢う何十年、その先で私たちは必ずこの場所で逢う。そう有言実行とはまさにこのことだ
サイコロの目はいつも2で確率の問題と私たちの大いなる決意が大体が八割である。
それでもいくつかの宇宙線では君たちよりも、世界が改変に追いつかず、逢えないことも多々あったけど。

それでもその八割をどれだけ、行動と革命で変えることができるかが、
ここしばらくの課題だった。
革命にはエネルギーが必要で、行動に無の力が必須であった。
だからこそ檸檬には革命を、蜜柑には行動する能力をたかが数年でそれでも型にハマった順当な、それそれなりにはなった。だからあとは器だけ。注ぎ方を、継ぎ方を間違えると、一割弱まで弱めた負の力がはたらいてしまう。
だから、こその予防線に搦手を繰り出さなければいけない。その繰り返しでここに立てている。

最後とはなり、ますがこの学舎で出逢った先輩方に感謝を申し上げます。

そう紙に書いてあった。
私は折り目にそって折り直す。いくつか蜜柑らしさが出出ていて感心した。
それでも今でも、蜜柑の中には革命の核があるだろう。
蜜柑には革命の力があると確信したのはこういう時
絶対に外さない、明確につくところである。それでも彼女は折れたら
もし何かの拍子で、リズムを崩すと多分そのまま転げ落ちてしまうタイプだ。
そこに檸檬を添えることで、いや彼に託すことでその部分を、転げても、七転び八起きで彼の真っ直ぐさと失敗ではなくとも、小さな行動力が大きな力になるそういうタイプ二人で一つになる、二人を見ていて、近くで一緒にいてそう思った。
この二人ならきっと私以上にこのこの場を、いやただそんな関係を羨ましくそうもっていただけ。私にもそんな人が出会えるだろうか、そんなことを彼に嘆いたことがあった。

きっと出会えますよ。必ず。だから約束したんじゃないですか。
僕と蜜柑と先輩で必ずこの場所で逢うと。

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