「どきどきするね」殆ど摩擦音の、話し声。胃が、脳が、心臓が、君のものになる。「吸いながら燃やすんだってさ」細く白い陶器の指が、煙草の先端に火をつけ、けほけほと、笑いながら咽せて、貴方の番ねと差し出す。君は躊躇う僕に、意気地なし、と言いながら、唇をじっと見る。なんだよ、意気地なし。

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