宝石、透かせば、この世の全てが見えそうなくらい、純粋で美しい。これを誰もが欲した。僕は裏切り、欺き、宝石を血で塗れた手で触れないよう、丁重に包んだ。高く売れるらしいが、この国で僕の顔は、側溝を這うネズミだって知ってる。やっと着いた隣国で、これは汎用的に窓の素材へ使われると知った。

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