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自転車イベント「Grinduro!」参戦記- その1 グラベルにヒルクライム、ダウンヒル、TTやちゃぽんもあるよ。

Quincyの或る日、僕らは砂埃と乳酸と恍惚の表情に溢れていたーー

2018年9月30日、アメリカ・カリフォルニア州Quincyという街で行われた自転車ライドイベント「Grinduro!」に参戦。その記憶を記しておく。
以前から憧れていたイベント、いろいろ縁あって奇跡の参戦が決まったのだ。
GrinduroはGiroが主催する実に様々な要素が詰まっている、まさに新しいタイプのレースイベント。
海外でのライドは初、飛行機輪行も初、初めてづくしな旅の記憶をどうぞ。

なお、今回撮影した写真はFlickrアルバムに高解像度のものがまとまっている。

手っ取り早く雰囲気を知りたい人は、公式動画がコンパクトにまとまっていてNice。


いざQuincyに向けて出発、移動

9月29日、成田空港。いよいよ出発の日。
事前に発送したバイクを大型手荷物に預け、搭乗手続き。
相変わらず国際線の行きは眠れない。。ほぼ目をつぶっただけで、寝てない状態で到着の時間を迎える。
※準備までの顛末は別の記事で詳しく記すことにする。

サンフランシスコに到着後、少し遅い時間の便で到着予定だったマスダさん(@naokies1228)と合流。
2人での旅が始まった。レンタカーの手続きをし、一路Quincyへ。
Quincyはカリフォルニア州の北東部。サンフランシスコからは、実に5時間ほど。

Quincyへの道のりはこんな感じ。

アメリカは都市部にしか行ったことはなく、山奥に行くのはもちろん初めてだ。
ベイエリアを抜けると一気に何もない荒野の風景が待っていた。
アメリカは街と街の間に本当に何もない。。
ただまっすぐな道が伸びるだけだ。

そうすると、運転していても感覚がおかしくなって、いつのまにか結構スピードが出ている
自分としては初めての経験だったので、5時間という時間が短く感じられた。割とあっという間に山奥に!

大冒険不可避。。

そう思わざるをえない景色が眼前に広がるばかり。

スタート・ゴールの会場、Plumas-Sierra County Fairgrounds に到着したのは夕刻、暗くなる直前のことだった。

会場の雰囲気

会場はとにかくフェス感満載、自転車のイベントとは思えない!
バイク屋グッズなどが並ぶトレードショーが行われている建物も。

ステージが屋外と屋内に2つあり、バンドによる生ライブなんかもやっていた。

この会場は普段何の施設なのかがいまいち分からななったのだが、
ここでGrinduro参加者はキャンプができるようになっている。


もちろんキャンプ泊も考えていたが、荷物の問題やスケジュールの都合で断念。

まずは受付でチェックインを済ませる。
受付すると、Grinduroグッズが一式もらえる。

中身は、参加者なら全員使えるミールチケット、
オリジナルボトル、ソックス、パイント、その他パンフレットなど。
これが結構な記念になって嬉しい。
中にルートの地図が柄になったスカーフのようなものが入っていたのだが、
これは翌日のレースで、どうやって使うのかが身にしみて判明することとなる。。

会場の雰囲気はまさにお祭り前夜。盛り上がりたい気分はあったが、
長時間の移動でかなりの疲労感が襲ってきた。
巨大なピザを食べ、宿にチェックイン。本番に備えることにする。

疲れているけど、重要なミッションがある。
パッキングしたバイクを組み立てなければ。眠い目をこすりながら、バイクを組み上げ、ジャージなどを準備して泥のような眠りについた。


9/29、いよいよレース本番

AM5:30起床。まだ暗い時間だ。時間の感覚はない。思ったほど時差ぼけはしてなかったけれど。
宿から会場までは近くて、自転車でも十分いける距離。
到着すると月が煌々と公園内の針葉樹林の森を照らしていた。

外に出たら、さ、寒い。。
気温差は激しいとは聞いていたがここまで寒いとは思わなかった。
参加者はみんな示し合わせたように同じようなダウンジャケットを着ている。

極寒と言っていい環境の中、ミールチケットでもらえるブリトーとコーヒーが超絶にうまかった。

Roll Out!

スタートの前にステージ前でパチリ。

そうこう言ってるうちにスタートのセレモニーの時間に。
聞こえてきたのはアメリカ国歌。しかもハーモニカでの演奏。
アナウンスが、“Mr.Johnnie Walker”さんて人が演奏してる、と言っていた。
この雰囲気が何ともアメリカを感じる時間だった。

そしてスタート!
この時間は結構まだ寒かった。と言ってもひんやりした空気が気持ちいくらいな程度。右手から射す出てきたばかりの朝日がとても眩しい。

実はあまり事前にルートを確かめてなかったのだが、
GrinduroにはいくつかのStageがある。
そのStageごとにタイムが競われ、上位を目指す人はそこでガチ走りしているわけだ。
ほぼダートとかグラベルか?と思っていたが、どうやら舗装路もあるらしい。


100km / 3000弱up くらいのルートだったかと思う。

Stage1

stage1は結構長めなヒルクライム。ここはグラベルだ。


すげぇパワーで登っていく人もいたが、キツイとこは乗車せず押してる人もいた。

後半になると、口々に”Death Climb!”という声がちらほら。


見たことのある顔、第3の男登場!

しばらくヒルクライムしていると、まず目に飛び込んだのは ”BRAAAP”のスキンスーツ。


あ、見たことある。現地のこれ作ってる人来てるのかな、と思ったら。。
あれ、顔が東洋人。

あ、見たことある顔。

そう、彼はイエクラさん(@45things)。
日本でも幾度もライドイベントやシクロクロス会場で顔を合わせている人だ。
「え〜〜、来てたの!? 爆!!」ってことで、ここから即席チームジャパン結成!3人旅となった。

砂埃がもの凄い

始まってすぐに気づいたのが、ものすごく乾燥していて、グラベルの土がサラサラだということ。
当然そこをチャリで走ろうものなら、あたりは土煙で視界が白くなる。。
顔面が砂埃でコナコナの色になるのにさほど時間はかからなかった。


先ほど合流したイエクラさん曰く、「全身にココアパウダーを浴びながら走ってるような感じ」
まさしくそんなサラサラパウダーで、実にダスティーな環境。

脚もすぐにこうなる。。

ふと周りの人を見ると、受付の時もらったスカーフのようなものを顔に巻いているではないか、、
なるほど、全てが理解できた。こうやって砂埃から鼻や口を覆うためのものなのだ。持ってくればよかった。。

日本とは植物が少し違うのも面白い。針葉樹林ぽい感じではあったが、微妙に見たことのない木々、苔の生え方とかがちょっと日本とは異なる。乾燥しているから自生している植物も当然違ってくるわけで。

標高1,000mくらいのところでstage1は終了。

このイベントを通して思ったのが、ただのレースじゃないので、登りとかもみんな思い思いの走りで、自分のペースで楽しんでいるのが印象的だった。
そして年齢層が非常に幅広い。老若男女、このものすごいルートを楽しんでいるのだ。


日本のロードバイクに乗る人とかも年齢層は幅広いのだが、
このようなルートでこんな遊び方をしている年配の方はそうはいないだろう。

僕の中でベストライダーだったのは、このイケイケのシングルスピードで楽しんでたオバちゃん、いえ、姉さん。
終始楽しそうに乗っていた。

この方も最高! いいなこんな歳の取り方したい。

バイク、ファッションチェック

さすがはU.S.A.のイベント。 バイクやファッションにおいても実に様々なものが見られ、チェックは欠かせない。


インスタでフォローしてるブランドの人、メーカーの人達なんかがたくさん参加していた。

ウェアブランド「ornot bike」の人たちとか

デジアナなメーター「omata」の人たちも。

あと、すごかったのがこの御仁、

そこそこでかいスピーカーを搭載して爆音で走破していた。


かかってたのはこれまたイケイケのメタルなナンバー。なにこのイカしたスタイル!

stage2

stage2は経験したことのない、超ロングなグラベルの下りだ。合計するとおよそ30kmくらいはあっただろうか。


ここで衝撃を受けたのが、下りのスピード。みんな速い!
路面はそこまで大きな石があるわけでもなく、そこそこ走りやすいグラベル。
とはいえみんな、こけたら死ねる速度w
狂ったスピードだ。どんどん抜かれていく。。

同行したマスダさんは元々マウンテンバイクでダウンヒルをやっていた。
まさしくこんな下りは専門!ということで、彼もあっという間にグラベルを下っていった。
#gravelglinder とはよく言ったもので、皆まさに土をかき分けるブルドーザーのごとく下っていく。
さっき登りでバイク押してのんびり登ってた人が、下りになると人が変わったように速い!!
明らかにこれが目当てだ。下りがデザートですって口だww

僕はといえば、下りの途中で足が攣った。。これも初めての経験だ。
路面からの衝撃で上半身が疲れていて、足でも結構衝撃を受け止めていたからだろうか。

このように長いグラベルの下りがある山々は日本ではまずお目にかかれない。
アメリカでもどこにでもあるわけではないだろうが、日々、こんな遊びをしてる人たちがたくさんいるのだろう。このような遊びのベースが根付いているのだと思う。

これでもかってほど下ったところでstage2が終了。
エイドがあり、少し食事ができるようになっていたので休憩。
エイドには水の他にビールとウイスキーもある!流石だ。

ライドで声を掛け合う精神

また、イベントを通して心に残ったのが、ライド時にはすごくお互いに声を掛け合って走っているということ。

コース上には、前の人を抜くときの “On your Left.” “On your Right.”という声が響く。
パンクやトラブルで止まっている人がいれば、ほぼ全ての人が “Are you OK?”と声をかけていた。

自分も少しバイクを調整するために止まっていたのだが、幾度となく“Are you OK?”と声をかけてもらえた。本当にみんなだ。止まってくれた人さえいる。
この精神は見習いたいし、日本でライドするときももっと心がけようと思った。

stage3

stage3はなんと舗装路タイムトライアル

さっきまでのグラベルとは打って変わって、連続カーブが続き、ワインディングが楽しめるような舗装路だ。


なんとなく3人で先頭交代しながら快走。
そこまで距離は長くなく、20分弱でstage3は終了。ここはここで爽快。気持ちよかった。

実はstage3は終了ポイントでランチタイムだったらしいのだが、それを知らず、僕ら3人はスルー。


結構タイムアウト時間ギリだったのと、この後待ち構える、最後の登りを早くこなしておきたかった。というのもある。

ラスト前の”Death climb”再び

まだしばらく舗装路を走る。いかにもアメリカな風景の中を気持ちよく進む。

stage4にいく前に越えるべき難関、ダウンヒルするためには登らねばならない山がある。
突然始まった登りはまさに”Death climb”というべきキツさ。終始キツい斜度が続く。
当然グラベルで、場所によっては15~20%の傾斜があったと思う。。

そこまでで消費してて結構な乳酸が溜まっているであろう脚にはかなり辛かった。
全体から考えると大した距離ではないのだが、登っても登っても終わらない感じがした。

やっとピークについてしばらく走ったところでstage4の入口が見えて来た。

stage4

ラストはstage4。Grinduro名物である、10kmのダウンヒル

ここはマジ半端ではなかった。。
マウンテンバイクのダウンヒルで下るようなシングルトラックだ。

あとで分かったが、Grinduroを主催している団体の1つ、Sierra Butts Trailという団体はこの辺りのトレイルを管理している団体なのだそうだ。
彼らのような団体とスポーツブランドであるGiroが組んでこのようなイベントを実現しているのだ。なるほどですね〜。

マスダさんはMOOTSのマウンテンバイクで参戦。まさにここを下るためにこれに乗ってきた?
って感じで真っ先に下っていった。


サスペンション欲しい。。そう思ったのは初めてだったかもしれない。
結構マウンテンバイクもいたが、上位陣にはシクロクロスバイクもいる。
比率的には半々くらいだっただろうか。
シクロクロスバイクでこの道を爆速で下るとは、ヤベェ奴らだ。

オフィシャルに自分の写真発見。顔がヤヴァイ

バンプなんかもあり、結構楽しめた部分もあったが、それ以上に全身の疲労感がすごく、
途中何回も止まってしまった。。

噂の「転んだら死ぬ崖」も目視で確認。
後から聞くと、先に下っていたイエクラさんは崖から半落ちしたらしい。。

シングルトラックセクションを必死の思いで走破し、
終わったところには鉄道が。踏切も何にもない。


すごい風景。当然記念に写真をパチリ。後から気づいたが、滞在中車両が走ってるのを一度としてみなかった。どうやらこれは旅客鉄道でなく、林業で使う貨物輸送用の鉄道だったっぽい。

ゴール手前にちゃぽんスポット!?

stage4を無事に生還してちょっと走ったら、なにやらみんな集まってるポイントが。
湖だ。しかも、服脱いでチャポンしてる参加者が。


ちょっと待て、結構寒かったぞ。今も寒いぞ。と思いながら、湖にダイブする奴らを見ながら一服。

感動のゴール、そしての写真撮影サービスが嬉しい

しばらくQuincyに戻る道はとても穏やかでのどか。果てしなく続くのは牧場。半端ない規模だ。

そして訪れた感動の瞬間。

Grinduroはゴール後、写真撮影のサービスがある。
一緒に走った仲間と、バイクと、皆最高の表情で記念撮影をしていた。

僕ら3人も記念撮影に。

ことのほかすっばらしい表情してる。
これは最高の思い出だ。忘れることの無いであろう瞬間だ。

ちなみに写真撮影の列に並んでると、 The Radavist@johnprolly氏がカメラを持って歩いていた。自分のRadavistカスタムメットに目を向けてくれ、「Nice!」と声をかけてもらえた! さらに3人の写真も撮ってもらえた!


https://theradavist.com/2018/10/rounding-out-the-2018-sierra-buttes-triple-crown-with-grinduro-in-quincy/#128

やった。このメットで来た甲斐あり。
The Radavist に載ったのは足助のグルメセンチュリーの時の写真以来、二回目だ。これまたすげぇ記念に。

なんと言えばいいか、疲れと、安心の震えと、いろんな感情が一気にやってきた。眩しい夕日をあび、鳥肌がたったのを覚えている。

写真を見れば思い出す。この時僕らを照らす夕日の光は、いつにも増して色濃く思えた。

アフターレースと、次の日のライドの模様は別の記事でお届けする。

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