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19/365 【シャボン玉みたいなおかしみ】 舞台「罪のない嘘」

2020年、感情noteを始めます。

心が震えたお芝居や映画や本、訪れた場所といったコト録も続けますが、それらは言わばハレの日。その合間にある「普通」の毎日を、も少し書いてみたいのです。でも、何でも良いってなると、ちょっぴりハードルが高いんです。

感情は毎日動くもの。喜怒哀楽のようにパッキリしたものもあるけれど、その隙間にある色とりどりのあわいも見つめてみる。良くも悪くも、なんかもやっとしたやつ。1日を振り返って、感情がなーんも沸かなかった、なんて日もあるかも知れません。それはそれで興味深い。

写真と140字だけの日もOK。ちゃんと整理できていなくてもOK。毎日書いていたら、何かが変わるかも知れないし、何も変わらないかも知れません。なーんも定かではありません。

でも、やってみたいをやってみる。できることなら、365日。意地っ張りな自分を見据えた上での、やってみようを始めます。

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お正月にOAしていた三谷幸喜さんと妻夫木聡さんのサッポロ大人エレベーターのCMで、三谷さんが、理想のコメディとは、面白かった!って満足するけど、感動はしない作品だ。とおっしゃっていた。

まさにそんなコメディ作品。

もともとは劇団東京ヴォードヴィルショーのために三谷幸喜さんが20年以上前に書き下ろした作品だ。「ラヂオの時間」とか、「古畑任三郎」とかの頃だろうか。古さを全く感じさせないのは、人間の本質って変わらないからだろう。端から見たらしょーもないことに向かって一生懸命な人間の姿って、なんて滑稽で、バカで、愛おしんだろう。

佐藤B作さん演じる父に、婚約者を紹介したいから会いたい、と10年前に離婚した妻と暮らしている娘から連絡が入る。事業で失敗し、億ションを手放して四畳半のアパート暮らしにまで落ちぶれてしまった自分の生活を、離れて暮らす娘にどうしても言えない父は、4日前まで住んでいた、今は人手に渡ってしまった億ションに無断で入り、娘を迎える。そこに今の住人、その妻、その娘が帰宅し、さらにはお隣さんやら、娘の婚約者の両親やらが出たり入ったりを繰り返し、それぞれの人間模様が描かれていく…

ドタバタが連続のシチュエーションコメディ。でも雑じゃない。色んな人の心の機微があっちでもこっちでも織り成されていく。

あまりにも必死に体裁を整えようとする姿も滑稽だし、なんか変だな、と思いながらも、そこまで言うならそうなのかしら、とはてなマークをいっぱい飛ばしながらも、丸め込まれる人も滑稽。全てお見通しなのに、諦め混じりの情の深さで、一緒になって喜劇をきちんと成立させようとする人も、また愛おしい。

初演時にはおらず、後の改稿で書き加えられたというB作さん演じるお父さんの元妻サダと、今の彼女役のビビアンが、最高に素敵だった。どうしようもない男の可愛い部分を放っておけない肝っ玉ぷりとか、状況を読んでさらっと役割を演じてみる感じとか。ビビアンの、どんな状況に陥っても、人を本当の意味で傷つけることなく、たくましく生き抜いていくであろう生存能力の高さに惚れた。

お正月だから明るく楽しい作品を、ということで、この時期に上演されたらしい。笑って笑って、最後にはじんわりと温かく、ほんの少し、しんみりとした。

人間って、ステキだ。

言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。