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オルタナティヴとDoSomeCall

text by kazma tamaki

Alternative / オルタナティヴ
単語そのものの意味を調べてみると「代替えの」とか「二者択一の」とか書かれてる。

オルタナってどんな意味で、どんな音楽なんだろう?って調べたことがあるのは僕だけじゃないはず..で、調べたところでイマイチわからなかったのも僕だけじゃないだろう。
オルタナティヴ・ロック=代替えのロック?二者択一のロック?
どういうことだ?まったくわからない...。
「Alternative」に対するちゃんとした訳となるべき日本語って無いんじゃないだろうか。
それより、「王道じゃないロック」「もうひとつのロック」くらいの方がまだ幾分わかりやすい気がする。

Wikipediaには
大手レコード会社主導の商業主義的な産業ロックやポピュラー音楽とは一線を画し、時代の流れに捕われない普遍的な価値を求める精神や、アンダーグラウンドの精神を持つ音楽シーン

とあって、他にも発祥、分類などについてかなり長く色々と書かれてる。

(僕にとって)ひとつ意外だったのは発祥がアメリカではなくイギリスで、僕が抱いていたイメージよりも始まりは古かったということ。
僕の勝手なイメージで、Alternativeってアメリカのイメージだった。
僕がオルタナというジャンルを意識し始めたバンド、Dinosaur Jr、Nirvana、Sonic Youth、Pixies、Superchunk、Pavement、レーベルで言えばMatadorとか挙げたらキリが無いけれど、好きになったほとんどがアメリカのバンドだったから。でもAlternative Rockというジャンルの発祥は1978年にAlternative TVというバンドがイギリスでデビュー、その後Public Image Limitedが先駆けとなっているらしい。僕もPILはもちろん大好き。Sex PistolsよりもPILに刺激を受けたし。
ボーカルは確かにジョンライドンなんだけど、音はSex Pistolsとは完全に異質で先鋭的だよね。なるほどこれが「オルタナティヴ」か。
オルタナを意識し始める前は、OasisやBlur、The Smith、Rideなどイギリスのバンドばかり聴いてて、それらはオルタナって意識は無かったのだけれど、実はオルタナだったんだね。
僕はUK、USを通過して大学からはJP Alternativeに傾倒していって。bloodthirsty butchers、eastern youth、number girl、COWPERS、NAHT、fOULとか、レーベルだとZKとかless than TVとか文字通り聴き漁ってた。ちょうど「エモ」ってジャンルが出てきた頃。
大学時代はfugaziとかDrive Like Jehuとか本当に色んなバンドを知ったな。
もう20年以上も前の話。

あ、発祥と言われてる1978年て僕が産まれた年だったりもするからなんだか嬉しいね。そうかオルタナと同い年なんだな。


とまぁ、前置きはこれくらいにして。

chacchとのDoSomeCallは、結成当初から自分たちを紹介というか形容する際、「オルタナロックユニット」と表現しているわけで、細かい好みは色々と違くて曲作りの際は多少衝突もあるけれど、僕もchacchも大筋で言うところの「Alternative」という音楽が好きで結成したからね。
そういえば、当時のメイン活動場所で最初に作ったどさんこのプレイリストのタイトルは「Alternative Meeting」だったしね。
(「ユニット」って言葉の響きというかイメージが好きじゃなくて、ここ数年は「Alternative Rock Duo」と表現してます)

なので、これまで自分たちが作ってきた音楽もオルタナだと思っているし何も変わってないと言えばそうなのだけれど、最近立て続けに発表した僕が作った4曲は「よりオルタナを意識して作った」ので、敢えて『オルタナ4部作』と銘打ってます。どれもアルバム『虹芸 niji』以降久しぶりに作った新曲です。

Alternative Rock Duo “DoSomeCall” が消化・解釈したメタル、パンク、ポップ、バラードみたいな順で作りました。
出来るだけ違うテイストの4曲にしようと思って作ったんだけど、どの曲もchacchが唄うとちゃんとDoSomeCall、「どさんこ色」になるっていうのが嬉しい。

まずは
◎生痕(せいこん)

ゴリゴリのメタルか、というと決してそうでは無いから所謂ヘビメタではないのだけれど、チューニングをかなり下げて重さを意識したどさんこ史上、最曲。そこにchacchの声を乗せたら面白そうだなと。

次は
◎AvraCadavra!

この曲のデモをchacchに聴かせたら「ちょうどそろそろパンクぽいのやりたいと思ってた!」との返事で、ダテに結成8年目に突入してないなと。これぞまさしく以心伝心ですね。BPMはchacchが苦手とする178という速めの曲なんだけど、今回はそこまで苦労せずに唄えたみたいで良かった。
歌詞は一部変更されてたけど....(漢字が読めなかったらしい、というのはここだけの話)

そして
◎スターライン*

これは、どさんこ初期の曲「欠けた月 満ちた月」(1st アルバムのFRAGMENTに収録)というツインボーカル曲の続編的なイメージで作った、同じようにツインボーカルでポップなノリを意識した曲。交互に掛け合いで唄うのは久しぶり。

◎ねがいごと**

4部作の最後は、20年以上前のデビュー時から変わらず僕の中で影響を持ち続けてるバンド、Oasisの影響モロ出しのイントロから始まるミディアムテンポのバラード曲。
この感じの曲はこれまでも何曲か作ってるけれど、途中ちょっとだけリズムをレゲエぽくしてる部分で僕がボーカルを取ってるのは新しい試み。


以上、4部作。

クレジットは
all songs
performed by DoSomeCall
written by kazma tamaki
vocal by chacch
all instruments by kazma tamaki
(except * & ** vocal & instruments by kazma tamaki)


DoSomeCallの楽曲のメインはやっぱりキャッチーで聴き易いchacch曲だと思ってて、例えばシングルカットされるのはchacchの曲で、僕が作る曲はアルバムにだけ入ってるような、シングルで言うとB面曲みたいな立ち位置だと思ってる。


今回は「よりオルタナを意識した」って書いたけど、今後もDoSomeCallはAlternative Rock Duoであることに変わりなく相変わらずオルタナな曲を作り続けて、「どさんこ色」を探し続けようと思う。


ここではYouTubeしか貼ってないけれど、オフィシャルサイトをはじめ他のサイトでも公開してるので、お時間のある方は是非聴いてみてください。


ではでは。

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