Illustration and Battle
ただの筋肉野郎じゃない
やっと家に着いた。
ジムで格闘技を始めてから軟派の癖に二次元に興味を示さない爽やかマッチョばかりで辟易していた。
勿論自分も周囲に嘘をついている。
簡単に説明すれば
「髪の染め方も完璧でコミュニケーションもまあまあ出来て最近知った古いサスペンスアニメの女性キャラが酷い目にあったからもし現実に居たら助けられるように格闘技を始めた。」
それが俺、党足 真宮である。
そうは言うがギークはいつも嫌われ者だ。
俺もジムでアマチュアになってから、やや古めの眼鏡ポニーテールメイドにどハマりしてイラストを練習した。
投稿サイトの規制と戦いながら新しい技術を取り入れてやっとかけた女の子。
俺が高校を卒業する頃に日常アニメが廃れ、昔積んでいたノベルゲームにハマってからどうしても
「クラスの一軍殴ったらモテないかなあ!」
そんな幼い恨みと
「トレーナーと令和のメイドで自主制作のアニメを作りたい。」
と言った新しい願いと共にあと少しでプロ入り仕掛ける所で落ちる。
まるで小説投稿者の苦悩だ。
昔はオタク格闘家も居たのに。
一軍みたいなプロ選手を倒して自作のメイドイラストを見せてマウントを取りたいが為にジムに通っているのだが。
「結局恥ずかしくて爽やかを装うよ!」
家に着いて大学のレポートを終わらせる。
もうオタクは古いのかな。
陰湿じゃないし、近年の権威付けされた作品だけ有り難がる奴を殴りながらサスペンスヒロインを助けたかったのに。
それも痛いだけなのかな。
だなんて喋れないから妄想とイラストで痛む拳を慰めるメイドや流行りの魔王に癒してもらうのだった。
『真空は素晴らしい。
格闘と萌えイラストレーターの二足の草鞋は誰にも出来ない。
勿論それらが真宮と私達を幸せに導くルートなのかどうかは分からない。
けれど、魂と生命を込めた作品は多くの人に響くから。』
そうだよな。
だからあの懐かしい萌えキャラ好きを隠しながら格闘技やってんだ!
どう見ても『一軍出身です。』だなんて言い出しそうな選手を倒して萌えが強い事を証明する。
けど、爽やかさって萌えと一緒に助けられる事あるんだよなあ。
苦手だった男性キャラクターも描いてハーレムもやるか。
いずれはジーエルも…
よし。
欲があるならまた歩ける。
明日もまた大学とジムだ。
現れる一軍を、一軍に扮して戦う自分と特撮ヒーローと重ねてまた一つ大人になる真宮だった。
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