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豪華出演者たちが彩ったスパチャ1周年イベントレポート

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2019年11月22日、「V好きな者達が気軽に参加できるバーチャルアーティスト楽曲中心の音楽イベント」として発足したスーパーチャットの1周年記念イベントが開催された。今回、豪華出演者が彩った記念すべきイベントのレポートをご覧いただく前に、スーパーチャットの歴史や個人的にイベントに対する印象を、Vカルチャーの流れと一緒に少しだけ振り返ってみる。

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2020年現在、VTuberのリアルライブや音楽イベントは現地・配信問わず様々な形式で数多く存在する。これまで珍しいとされてきたVTuberのリアルライブだったが、2018年12月に開催されたキズナアイ1stライブを皮切りに、2019年は数多くのライブやイベントが開催された。Vtuberの単独ライブもそうだが、複数のVtuberが1つの舞台にあがるようなイベントも数多く開催され、その流れに並行するかのようにオリジナル楽曲の数も増えていった。VTuberの楽曲関連の増加を助長するかのようにクラブイベントも増えていったが、要は自身の楽曲がイベントで流れることへの意識と、SNSに固執していた界隈の音楽への意識が外に向いていった印象がある。

音が流れる場所で色んな人に触れてもらえるという真っ当な音楽カルチャーらしい流れが訪れたのが2019年だろう。そしてスーパーチャットもその流れの中で生まれたイベントの1つではあるが、今数多く存在するVTuberのクラブイベントにない特徴は、「音楽をメインとしたVTuberイベント」な点だと思っている。Vtuberの楽曲で色を出すのではなく、音楽そのもので色を出していくDJ陣が、自分がいいと思う音楽を好きなように流していくスタイルのイベント。そんなイベントがカルチャーの黎明期から生まれるのも珍しいし、それには出演するDJの潜在的な意識が強いのかなと考える。そんなスーパーチャットが1周年を迎えるわけだが、お馴染みのVRエンタスや配信といった試みに加え、第1回目のゲストであるミディが周年の舞台にあがるなど、とにかく音楽だけではなく色んな仕掛けで観客を盛り上げた1周年イベント。そんな記念すべき1日を簡単にレポートしていこうと思う。

TAKUYA the bringer

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1番手はお馴染みTAKUYA the bringerが務める。HIPHOPをベースにフロアを一気にクラブの雰囲気に持っていく。BOOGEY VOXXから花譜など様々なVTuberの楽曲を織り交ぜた選曲に加え、MCを挟んでいい感じの緩急をつけていくスタイルが心地よく、オープニングのトークからフロアを常にロックし続け、じわじわと温めていく技術はさすがとしか言いようがない。

天音みほ(東雲和音DJset) & tempura(TEMPLIME)

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今日本のインターネットミュージック界隈で最も熱いコンテンツとして今後の展開に注目が集まる「電音部」から天音みほとtempuraのペアが参戦。VTuber楽曲をメインにアニソンなどのアンセムを織り交ぜたB2Bでフロアを熱狂させていた。個人的には、この日普段秋葉原エンタスで見かけない電音部のファンの方を多く見かけたのだが、音楽を通して色んなカルチャーのファンがごちゃまぜになって楽しんでる様子が印象的で、ジャンルで区切ることなく分け隔てなくみんなが楽しむスーパーチャットというイベントの長所が全面に現れた瞬間だなと感じた。その場にいたら絶対に体を動かしてしまうようなtempuraのプレイに負けじと食らいつく天音みほの競争のような、それであって全力で楽しむ姿がこの日のターニングポイントとして衝撃を受けた時間だった。

FAIO

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スーパーチャットではお馴染みとなったFAIOが3番手として登場。電音部&tempuraというビッグネームに引っ張られることなく受け継ぐようにフロアをロックし続ける姿が印象的で、痒いところに手が届くような選曲とプレイを一般的になんというかは不明だが、純粋に「良いDJ」と思わせるDJとしてのクオリティの高さが伺えた。もちろんその要素の1つとしてVJチームによる映像演出もかなりセンセーショナルで、音と映像どちらでも楽しめるパフォーマンス力にとにかく感銘を受けた。

ミディ

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バーチャルトラックメーカーとしてVTuber業界に留まらずカルチャーの前線で活躍するミディが登場。スーパーチャット第1回目のゲストとして出演したミディが1周年で再びエンタスの舞台に舞い降りるという激熱な展開もそうだが、この1年で楽曲数やプライヤーとしての技術も並大抵ではない進化を遂げているのがわかるプレイを見せてくれた。自身のRemixからとにかくかっこいい楽曲のオンパレードでフロアを沸かせていた。選曲の展開でノリノリのダンスミュージックから徐々に治安が悪くなったり、とにかく自身の世界観へ持っていくプレイは圧巻。最後の最後までフロアをロックし続けるミディのプレイは1年経っても健在で、常に進化し続けるプレイヤーとして今後も目が離せない。

遊美深夜

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スーパーチャットの未だ未解明のDJ遊美深夜が登場。毎回予想できない選曲でフロアを沸かす彼らが今回見せてくれたのは、VTuberとサブカルチャーのアンセム曲を織り交ぜた王道のようで規格外のプレイ。シンプルに音楽好きが喜ぶような選曲で、特に52Hzの鯨からソラニンの繋ぎなど、まるで予想できないプレイが記憶に残った。

Batsu

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スーパーチャット1周年のトリを務めるのはDJ Batsu。DJとしてのプレイもそうだが、パフォーマンス力の高さからまさにエンターテイナーとして様々なイベントに出演する彼だが、この日もVTuberの楽曲を自らがマイクを握りフロアを沸かせていく。Remixからマッシュアップを流したりとDJとしてのプレイもさすがなのだが、そこにマイクパフォーマンスが加わることで蛇足どころか彼にしかできない唯一無二のプレイにとにかく圧巻される。フロアを煽るのも相当上手くて、ライブショーケースとDJプレイを同時に見ているかのような不思議な感情になってしまう。周年のトリらしい圧巻のパフォーマンスで一瞬で時間が過ぎた。

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コロナの影響の中で限りなくできることをやるというスタンスで、いつも通りのイベントを見せてくれたスーパーチャット1周年イベント。何よりも、お客さんがお祝いしようという気持ちが全面に伝わるイベントだったなと印象を受けた。自分らのやりたいことを全うしながら、それであってお客さんが満足して記念ごとを一丸となってお祝いするという空気感は、DJ陣、VJチーム、そしてスタッフを含めた全員がエンターテイナーとしてイベントを作り上げているからこそだなと強く感じた。DJでもなく音楽に携わっていない筆者がこういう言い方をするのは少し上から目線だと感じるかもしれないが、音楽をDJをやりたいと思っている人はスーパーチャットで学ぶことが多いんじゃないかと思う。音楽に関係せず、VTuberというカルチャーが好きな人はぜひ1度足を運んでほしい。素晴らしいイベントの周年で取材できたことを誇りに思った1日だった。


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