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「考え」のデザインと「カタチ」のデザイン

この記事は「これからのデザイン経営」を読んで、とくに感銘を受けた「考え」のデザインと「カタチ」のデザイン部分を自分だったらどう解釈する?どのように業務に落とし込める?といった箇所をまとめたものです。

二つのデザイン

デザインには「考えのデザイン」と「カタチのデザイン」の2つがあり、そこに一貫性をもたせることで、そのアウトプットは人に深く届くものになる。

これからのデザイン経営から引用

ここでいう「考え」のデザインとはパーパスやビジョンといった、「なぜこのプロダクトは必要なのか?」を表したもの。もう一方の「カタチ」のデザインとは「ウェブサイトやUIといった目に見える」ものです。

片方だけではデザインじゃない

ウェブデザイナーとして働いておりますが、ギクっと思い当たるふしがあります。よくよくヒアリングもせずにデザインを作成して強引に進めていくことがあります。これは納期の短縮や依頼内容がぼやっとしている場合にすることがあります。ただこれは実際の「モノ」をだすことで解像度を上げて議論ができるようにするためです。
が、時によっては失敗することもありました。デザインが出来ている安心感で内容のすり合わせが十分でなく、完成したあとで「なんか違う」といった違和感を感じてしまうことです。また作成し直さなければいけないので手間がかかってしまいます。

何がたりなかったのか?答えは「考え」のデザインです。依頼者の思いを
丁寧にすくい上げて届きやすいカタチに変えてあげる。それはテキストであったり、コンテンツだったり。私はこの作業を「ストーリー」制作だと考えています。人はストーリーでないと感動してくれません。事実の羅列だけではだめなのです。「なぜ」必要で「どうやって」解決して「だれ」が幸せになるのか?これをドラマチックに(嘘にならない脚色を加えて)ストーリーテリングします。

この考えのデザインはディレクターがやることが多いです。しかし昨今のデザイン経営にみられる、「デザイン」の重要度の高まりから考えると、デザイナーと呼ばれる職業もそこを担って行くべきだと考えます。

ついつい「カタチ」のデザインから入ってしまいがちですが、デザインの本質は「物事をかっこよくみせる」だけではありません。「正しく」「より多くの人に」「深く」届けることがデザインの役割だとおもいます。

だからこそ「考え」のデザインで「なぜこのプロダクトが必要なのか?」を整理して、それを「カタチ」のデザインで具体化する。片方だけでは良いデザインではなく、二つのデザインをした上でのアウトプットが必要です。

「デザイン経営」モデルケース

このデザイン経営でいつも思い描いているモデルケースがあります。それは私が以前お世話になった企業の社長です。彼は何事にも美意識をもっていました。UIや会社のエントランス、ウェブサイトや広告物。デザイナーと参加していましたが、決まっていつもプロジェクトの始まりは夢や世界観といったワクワクするものを話していました。
アウトプットが世界観と違うときっぱりとNGを出して、何度でもリテイク。その過程でいい方向を模索するスタイルでした。
イメージやテキストも細かく調整して納得いくまですり合わせていました。

そんな彼の口癖が「競合に勝つにはデザインしかない」でした。

お金もユーザー数も知名度も負けている。そんな中勝てるのはデザインしかない。だからこそ大切にする。
その結果デザインで評価されるプロダクトを何個もこの世に生み出していきました。

デザイン経営とは美意識

私が思うにデザイン経営とは美意識だとおもいます。「こうあるべき」を自身の価値観としてもっている。以前はそれは経営者だけが持っていた意識でした。もしくは親しい人だけ。しかしデザイン経営の時代はデザイナーはもちろん、従業員の一人ひとりがもっていなければいけないと考えています。

それをアウトプットとしてわかりやすく視覚化するのがデザイナーの役割です。だからこそ「考え」のデザインを通じてストーリーを用意して、それを「カタチ」のデザインで視覚的に表現していく。これを一貫して違和感なく作成していくのが大事だとおもいます。

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