読書メモ『贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争』

 『アンネの日記』や『夜と霧』でホロコーストについては少し知っていました。今年には新たにアンネの「ビデオ日記」YouTubeで公開されましたし。

 でも、ホロコーストを実行した側についてはほとんど知りませんでした。この本のナチス副総統ールドルフ・ヘスの手記、ヘスの恩師の息子ーアルブレヒト・ハウスホーファーの手記(遺書)、これらは史実にかなり忠実な創作ということですが、ナチスがどのようにして影響力を強め、ついには政権を奪取し、侵略と虐殺に進んでいったのかという流れを知ることができました。
 とはいうものの、分からないことだらけなんですよね。私にはヘスがなぜヒットラーの秘書として彼を支えたのかよく分かりませんでした。第一次大戦での経験、第一次大戦後のドイツの混乱によって、反ユダヤ主義と反共主義が影響を強めていったという一般的な背景があり、いくつかの偶然が重なった結果、ヘスはヒットラーの右腕までなったということです(ヘスは1941年5月に戦闘機でスコットランドに「講和工作」のために渡ってナチスとの接触は絶たれてしまいますが。)ヘスは恩師の妻がユダヤ人であることために恩師夫妻、息子に危険がおよぶのではないかと大変気にかけ、いろいろと実際に配慮していたようですが、自分の親(ちか)しい人への危害とそれ以外の人への危害とをそんなにはっきり区別できたのでしょうか?

 自分の問題として考えると、私は自分が正しいと考えることに基づいて行動できているかどうか・・・。自分や家族のことしか考えていませんね。どのように時間やお金を日々使っているかから判断すると。
 どうしましょうか。困りました。

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