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#26 ニュータイプのゲーム問題指導を考えてみた

 小学校ではオンラインゲーム問題が割と頻繁に起こります。没頭、熱中するあまり、昼夜逆転した生活による、学校での倦怠感、睡眠不足、からの欠席。最近では、同時プレイによる暴言、仲間外れ問題も発生する時代です。そうなると学校では即、「ゲーム、ダメ。ゼッタイ。」という発想になりがちなんですが(特に年配の世代)、ちょっと待てよと。安易に禁止にしても効果はないし、否定は何も生みません。そこまでハマってしまう要因は何なのか、まず実感を伴った理解が必要だろうと。根本的な解決を図るためには、極端な話、同じようにハマってみなければ要因が分かりません。

 そこで、YouTubeのゲーム実況動画です。動画視聴により、オンライン上で待ち合わせしての同時プレイ及び会話が楽しい、課金によってスペシャルなスキンをゲットできる、時間帯による限定イベントへの参加で特別なアイテムゲットできることが分かりました。いやあ、射幸心を煽りますね。他者がいるから、沼から抜け出せなくなる。

 さあ、ここからが教員としての腕の見せ所です。動画視聴により得た知識があるから、具体的な指導を行うことができます。同時プレイによる暴言は、リアルワールドではなかなか出ません。ただ、顔が見えないと強気に出てしまうのは、子どもも大人も同じこと。「その暴言を、私に、私の目の前で言ってごらん。」、よほどの猛者でない限り、おそらく言えませんというか言いません。心理的な負荷がかかるからです。ヴァーチャルワールドをリアルワールドに置き換えての地道な指導のくり返しが、のちのSNSとの良質な付き合い方につながると信じたい。

 では、長時間ゲーム問題に対してはどのような指導方法があるのか。「先生、今の時代はゲームもスポーツとして職業化されているんですよ!知らないんすか!?俺はこれで稼ぐんで余計なお世話っす。」と言う児童もいるでしょう。「おお、そうだね。確かにe-スポーツは存在するし、億単位の賞金を稼ぐのもテレビで見たなあ。けど、私が見たテレビだと、そのレベルを目指している人は、君よりストイックにゲームに向かっていたよ。大会に参加するためには体調管理もしなければならないし、世界大会だと英語もできたほうがインタビュー映えするじゃない。ましてチームを組んで戦うためには、メンバーとのコミュニケーションをとる能力も必要だし。学校での勉強は一流ゲーマーには必要だと思うけどなあ。」、なんてどうでしょう。

 今は上から頭ごなしに禁止にしても効果がある時代ではありません。要因を分解して、正しいゲームとの付き合い方を、教員も勉強して考えていきたいですね。

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