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オンライン読書会3つのメリット、そしていかに運営するか

そもそも、なぜ読書会をやるのか

本を読むのが好きだ。
1人で黙々と向き合い、先人の知恵が凝縮された叡智をむさぼるのが好きだ。
しかし、開発やビジネスに関する本については、チームメイトと読書会で読むプロセスが大切だと考えている。それはなぜか?
それは、読書会というプロセスが書きを可能にしてくれるからだ。

・開発技法/考え方について共通見解を持つ
・同じ書籍から異なる視点での学びを得る
・読書会を通し、お互いの価値観を理解する

だが、今のご時世、読書会という形での学習は有効なのだろうか。
先日参加した「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 増補改訂版 出版記念イベント」でも、「リモートだとなかなか読書会などやりづらい」という意見が出ていた。

(こちらはイベント参加レポート)

しかし、個人的にはオンラインで読書会をやる、というのは全然ありだとおもう。というか、オンラインだからこそのメリットがあり、積極的にオンラインでもよいくらいに思っている。

このエントリーでは、そういったオンライン読書会のメリットや、私が実際に行っている読書会の実施方法について紹介していきたい。

オフラインと比べたメリット1 どこからでも参加できる

オンラインで実施するメリットで一番大きいのはこれだろう。
ZoomなりGoogle Meetなりでつながり、MiroなりJamboardなりで議論を可視化しながらすすめる。
オンラインだと、興味がある読書会があったとしても「ちょっと遠いからやめておこう」と足が遠のいてしまったりする。オフラインではそれがない。

(これは読書会に限ったメリットではない)

オフラインと比べたメリット2 広がりが生まれやすい

どこからでも参加できるため、地理的に離れた人が参加しやすいという意味でオフラインより広がりが生まれやすい。
また、「ROM専」参加しやすいというのも大きい。
ROM、つまりRead only Memberだ

1冊の本を、何回かに分けて読みすすめていく読書会。その性質上、初回参加者から徐々に脱落者がでていってしまう

単純に、参加の意義が薄いと考えて離脱しているのであればよいのだが、多くの場合「一回参加できなくてついていけなくなった」といった理由が多い。

例えば、読書会が対象する箇所まで読み進められていないとする。オフライン参加であれば参加をためらってしまうところだ。
しかし、オンライン参加なら「ビデオ通話に参加して議論だけ聴いてる」が可能なのだ。これには是非があるだろうが、個人的にはアリだと思っている。
実際、私がやっている読書会でも「読み進められていないけどROM専で参加します」というメンバーがいたし、雰囲気を掴んでからは議論にも参加していた。

もちろん、オフラインでも可能は可能だ。ただ、オンラインのほうがそういった参加形態への心理的ハードルは圧倒的に低い。

なんなら「読書会やってるから、見学してみたい人はどうぞ!」と呼びかけることだってできるわけだ。

(余談だが、件のメンバーはオフライン復帰後もROM専で参加していた。一度オンラインで経験していると、オフラインでも行動しやすいのかもしれない)

オフラインと比べたメリット3 アーカイブしやすい

オンラインではMiroやJamboardのようなツールで議論を深めることが多い。それはそのままアーカイブとなるため、参加しそびれた人があとからどんな議論があったのかカンタンに確認できる。

これも、オフラインで実現できることではあるが、オンラインの制約条件から発生しやすいメリットなので挙げさせてもらった。

オフラインと比べたデメリット

正直、あまりデメリットは感じていない。参加人数が多いときに共有がしづらい、通話品質によって場が成立するかどうか決まる、などだろうか。

どう実施するか

ここからは、実際にどうすすめるのかを、自分が実際に行った方法をもとに紹介する。

実施方法0 読書会の目的を明確にする

まず前提として、何のために読書会を実施するのか明らかにしておこう。

これは「チームジャーニー」の読書会を行う際に決めた読書会の目的だ。

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実施方法1 1回あたりの分量を決める

まず、1回あたりどれくらいの時間を使うのか、どれくらいのページ数を対象とするのか決める。
おすすめとしては30分、30ページ程度、週に1度だ。
これくらいの時間なら調整しやすいし、1週間に30ページならそれほど無理せずとも読める分量だ。

この30分の中では、下記のような時間配分で行っている。

・3分間      それぞれの感想/気づきを書き出す
・4分間      上記の共有
・1分間      特に議論したいトピックを2つ選択
・5分間×2  選択されたトピックについて議論

・それぞれの気付きの共有
・参加者が興味を持ったトピックを深堀りし、学びを深化させる

というステップだ。

実施方法2 事前に読むかリアルタイムに読むか決める

読書会開催時に読む時間をとるか、事前に読んでおいてもらうかを決める。

オフラインでは「開催時に読む時間をとる」がおすすめだ。
強制的に読む時間を確保できるので、間違いなく読み進められる。脱落もしづらい。

オンラインでは「事前に読んでおいてもらう」がおすすめだ。
顔が見えない状態で「いまから30分、それぞれで読みましょう」はちょっとやりづらい。
そして、前述のように脱落してしまっても復帰しやすいので「事前に読んでおく」でも脱落率は低くおさえられるはずだ。

実施方法3 コミュニケーションツールを決定する

Zoomなのかgoogle meetなのか、MiroなのかMuralなのかJamboardなのか決める。
なお、slackなどでテキストベースで実施する、というやり方もある。が、個人的には上記ホワイトボードツールとビデオ通話の併用がおすすめだ。
対話しながら生まれる気づきなどがあるためだ。

私の環境ではG Suiteを使っていることもあり、meetとJamboardで進めた。

チームA 1 (2)

このような形でネタを出して

チームA 2 (3)

このように深堀りする。

まとめ

読書会は、多様な視点を獲得し学びを深めるのに有効だ。
オンラインであっても実行できるし、参加の輪を広げるという意味ではオンラインのほうがよいぐらいだ。
何を目的とする読書会なのか明確にし、集まった人たちにとってやりやすいやり方で実施すればよい。それが1人では得られない深い学びへの入り口だ。

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