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🟦ロームのSiCパワーモジュールがZEEKRのEVに採用

ロームは、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体モジュールが、中国の大手自動車メーカー、Geely(吉利汽車)の電気自動車(EV)ブランド「ZEEKR」のインバーターに採用されたことを発表しました。


🟦ロームのSiCパワーモジュールのZEEKR車両への採用

 ローム第4世代SiC MOSFETを搭載したパワーモジュールが、Geely(吉利)グループの高級EVブランドであるZEEKRの主要モデル「X」「009」「001」に採用されました。ZEEKRはGeelyが2021年に設立したEV専用ブランドであり、ハイエンド市場をターゲットにした革新的な電気自動車を提供しています。

 この成果は、2018年から始まったロームとGeelyとの技術交流や、2021年に締結された戦略的パートナーシップによるものです。Geelyは中国を代表する自動車メーカーであり、ZEEKRはその中でも特に技術革新と高性能を追求するブランドです。

🟦SiCパワーモジュールがもたらす高性能化の理由

 SiC MOSFETを搭載したロームのパワーモジュールは、従来のシリコン(Si)デバイスを超える効率性と耐久性を持ち、ZEEKRの電気自動車でより長い航続距離を実現しています。

 たとえば、「X」モデルでは400km以上、「009」モデルでは最大822kmという航続距離を達成しています。一般的な電気自動車の航続距離が約300km前後であることを考えると、これらの数値は大きな向上です。この進化は、SiCデバイスがエネルギーを効率的に使い、電力損失を大幅に減少させることで実現しました。

🟦まとめ

ロームが提供するSiCパワーモジュールは、ZEEKRのEVモデルにおいて航続距離の向上と高性能化に貢献します。Geelyとの長年にわたる協力の成果が結実し、ロームのSiC技術がEV市場で重要な役割を果たしています。

 ローム製のSiCは、2022年からGeelyの全EVプラットフォームに適用される予定でしたが、現時点ではまず高級車ブランドのZEEKRにのみ採用されることになりました。やはり、コスト面で高級車向けが適しているということなのでしょう。

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