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工藤勇一氏の「校長ブログ」について

学校現場の改革に取り組んできた先生のメッセージがまとめられた連載「校長ブログ」の中から、「vol.06学校現場に脳科学を 「三日坊主」責めるのは間違い」という記事を紹介します。

この連載では、「学校の「当たり前」をやめた。: 生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革」などの著書で知られている工藤勇一氏の取り組についてまとめられています。

vol.06の記事の中では、脳科学を活用した教育あり方に関心を持ち、約3年間の研究を行ったなかで、「心理的安全性」と「メタ認知能力」について工藤氏は注目しています。今回はその要点をまとめます。


【心理的安全性】

○「強いストレスがかかっていない状態、心理的に安心できている状態」
○心理的危険状態にあると、脳の重要な部位(前頭前皮質)の働きが低下する。
 
(例)緊張している状態にあるとき、強く叱責されたときなどに「感情をコントロールする機能」「意識的な注意や思考をする機能」「不適切な行動を抑制する機能」などが低下
 
↓そのことから・・

怒鳴られ続けている子供(心理的危険状態にある)が、「お前、聞いているのか」などのさらに叱責を受けても、思考する部位が機能しにくくなっているため、耳に入ってこない。

【メタ認知能力】
○「自らを俯瞰(ふかん)的に見て、第三者的な視点に立って自分自身をより良い方向に上書きしていく能力」をメタ認知能力としている。
○心理的安全性が大切だからといって、学校をストレスフリーにしてしまうと、今後降りかかるストレスに対応する力が育たない。そこで、トラブルを経験する中で、失敗などのネガティブな記憶をポジティブな学びに変えていくための「メタ認知能力」を育てることが大切

(例)
○大谷翔平選手の「マンダラシート」
 →自分の成し遂げたい目標と、目標達成の要素をそれぞれ書き記して、自分を客観的に分析し目標を明確にする。

○ダルビッシュ有選手は、自分が投球している姿をビデオで撮影し、データを解析することで第三者目線となり、メタ認知能力を高めている。

 ↓
脳は、新しいことやこれまでの自分とは異質なことには頑張るようにできていない。「頑張れない自分はだめだ」と自分を責める必要はなく、精神論で乗り越えることが間違い。続けるための仕掛けを工夫が必要。そのために必要なのが、「メタ認知能力」

【最後に】
筆者自身も塾の先生として生徒と関わっています。自分と目の前の生徒は違う人間ということをわかっていても、「自分はこうだったから」という思考が指導の中に入ってしまうことが時々あるのを感じます。

生徒を意味なく怒鳴ったりしないのは、たまたま私自身がそういう教育を受けてきたからで、「怒鳴っても仕方ないだろう・・それより、きちんと話をして・・」ということを感覚として身につけているからだと思っています。
(もちろん、命に関わることや緊急の事態が起きている時は話は別です)

今回まとめた「心理的安全性」の説明を見ると、激しく叱責してはいけない根拠が示されています。

自分がしている指導の意味を、「感覚」や「自分がそうだったから」ではなく、きちんと理解できていること、説明できることの必要性を感じる記事でした。

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