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Tabi. #1979 009-7

Tabi 009−6より続く

自分は、方向音痴である。

意気揚々と登山口から登ったものの
20分行ったところで気がついた。
さっそく、道を間違えたようだ。

登らず、迂回するという失態。
失った20分が口惜しく、
サンダルで走る。
35分以上はロスしてしまった。

どうして気がついたか、
というと、
最初は紙の地図を見て登っていたのだが、
嫌な予感というのはするもので、
グーグル先生に尋ねてみると…
のぼるどころか、
右へ右へ迂回していたことが分かった。

方向音痴の自分には、
グーグル先生が欠かせない。

だが、グーグル先生に頼ってみても
間違えることはある。
地図がそもそも読めないのだろう。
示された道を行っているハズなのに、
反対方向に進んでしまうことは多々ある。

目的地から青い🔵印が
離れていって
やっとそこで、
自分が間違えていることに気づく。

AIだなんだと大変な世の中だが、
使えこなせなければ意味がない。
また使えこなせても
使う側の人間が未熟ならそれもまた問題だ。

以前、異国の地で
グーグル先生が示した道のりと
乗っていたタクシーの進み方が明らかに違い、
タクシー運転手とケンカになったことがある。

「日本人だからってバカにしてんのか!」
と啖呵を切った。

運転手は、
「悪かった。お金はもういいから乗ってくれ」
と言われたが、
自分は、
「アジア人を馬鹿にすんな!」と
猛烈に怒って、
徒歩で目的地まで行ったことがある。

若かった。
今思い出しても、苦笑いだ。
その前に、1000円で済むところを
5000円請求されたり、
優しいふりをして、
別の場所で降ろされたり、
という異国のタクシー事情が重なり、
腹が立ったのもあったと思う。

それでも、あんな激怒しなくても
よかったんじゃないか、
やっぱり若かった
未熟なんだな、と。

そんなことをふと、思い出しながら

ここは、日本。
離島。
そして山道。
責めるべきは間違えた自分と
自問自答しながら登山口へ戻った。

改めて登山口。
再びのスタート。

登り始めてすぐ、サンダルで
行くべきでないということが
よくわかった。

登山というよりも、
岩登りに近い。

宿の女将が言ってたように、
頭上を遮るものはない。
首に湿らせたタオルを巻き
帽子を被ってひたすら登る。

後から身軽な男性が
スタスタと自分を追い越して行った
ただ、大丈夫かよ、
と思ったのが、その水分量。

リュックも背負わず、
片手にペットボトル1本を持った姿。

この男性、このまま頂上へ行けるのか。
自分の心配しろよ、と言いたくなるが、
他人様の水事情を案じつつ
ひたすら山へ登る。

海が、見えた。


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