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ヘルシンキのサウナで英語の上達を感じ、ダチョウ倶楽部が現れる

半年間の世界一周で、英語力がほんの少し身についた。そのことを実感したのが、ヘルシンキのサウナだった。

日本の暗く熱いサウナと違い、そのサウナはガラス張りで太陽の光が差し込む明るい場所。バルト海が見渡せるオーシャンビューである。男女が水着で入り、あたたかな部屋でロウリュを楽しむ。

ロウリュとは、熱せられた石にアロマ水をひしゃくですくってかけた時に「ジュウゥゥ!!」と水蒸気が大量に発生し、サウナ内の温度が急激に上がるアトラクションである。「オー」「ノー」「マイガッ」などとみんなで騒ぐのが楽しい。

最初は職員のおじさんがやってくれる。そのあとは、お客さんの好きなペースでどうぞ、といった感じである。

旅に出て3ヶ月目、中学校レベルの英語しか使えない自分も、多少の挨拶くらいはできるようになっていた。

そのとき思ったのは、「ロウリュしてみたい」である。室内にいるみんなはなんとなく周りを窺っている感じ。北欧の人たちは日本人に近くて、礼儀正しく遠慮がちである。

そこで、思い切ってみんなに話しかけた。

「May I ?」(ロウリュやってもいいかな?)

そこにいる全員がダチョウ倶楽部なみに「どうぞどうぞ」と言った。いや実際には「OK」「YES」「OFFCOURCE」だったが、ダチョウ倶楽部が透けて見えた。ジョジョのスタンドのように。

その瞬間、あれ?英語ちょっとうまくなってる?

と思ったのであった。

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