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【Shake it off. vol.068】 _ _ makes me who I am./食と旅と美

私にとっての食を考えたときに出て来たワードが“喜び”だった。身体が喜ぶものをいただく、身体がそのとき求めているものをいただく、そして無心で集中して食事を作っているそんな時間も喜び。そんなマインドになったんだと客観的になって初めて気づけた。

今日は私にとっての“食”について。




10年に1度、食の転換期が来る


19の時、人生が変わるほどのダイエットをしたことがある。そのことがなかったら今の私はいなかったかも知れない。それほど私の人生を変える出来事だった。あの時が1度目の食の転換期だったと思う。口にするものをとにかく少なくしなくては、今まで通りの食生活では私は変われない。と呪文をかけるように自分に言い聞かせて、それと同時に母を困らせた時期だ。それで数字的ダイエットは成功するが食生活はかなり乱れ、いつ頃か髪も細くなり生理も止まった。そこでふと我に返って自分を見て見ると、正気を失いパワーもない20歳そこそこの私がいたのだ。美しくなりたくって挑戦したダイエットだったが、美しさを根こそぎ捨てさるような結果になったのだ。当時の私には受け入れられるわけがなかった。この頃の私は仕事に人間関係に、そしてダイエットからとかなりのストレスを抱えていたと思う。生理が止まったのも食は確かに大きかったけど原因は様々なところにあったと今なら納得する。

20代半ばまでずるずる引っ張ってしまったのだが、今の夫と出会ってから全てが好転していくようになる。彼はとにかく食べることが好きな人。最初こそ付いていけなかったものの、私も食べることが元々大好きな人間だったからすぐに慣れた、というか元の私に戻っていった感覚になった。目の前の食事を楽しんでいる自分が懐かしかった、と言うとなんか変に聞こえてしまうかも知れないが1番しっくりくる表現だと思う。“”食事をするってこんなに幸せで喜びに満ちたものだったっけ?”と毎日食べているはずなのに数年ぶりに思ったのだ。いつの間にか止まっていた生理も再開し、肌のハリもツヤも爪が割れやすかったのも丸ごと治っていた。

これには私自身かなり驚いた。

本当に身体は食べたものでできているんだ、と言うことを自分の身体はボロボロになったけど身を持って経験できて、それで大いに学べたんだ。




旅先での食


友人や彼、妹と旅をする目的の中のプライオリティー上位に必ず食がある。(私の周りには食を愛する人たちが多いことが嬉しいし最高である)“○○を食べるために△△に行く”、なんてこともざらだったし、旅じゃないけどオフの日なんかは朝から食とお酒を楽しむためよく街へ繰り出していた。10代後半の私のマインドとは180度違うマインドで食を楽しめている自分に出会えて本当に良かったと思っているし、旅中の食のことってすごく鮮明に思い出せるものなんだと驚く。あの日あの時こんな場所でこんな匂いがした、とかそんな風に結びつけて記憶って定着するんだと思う。私の中で旅と食はセットで、それは今ももちろん変わっていない。

それでいて食事を堪能した環境や場所も美しく、また鮮明に記憶に刻まれるものだと思う。中でも美味しい物を食べているときの人の表情って何て美しいんだろうと思うのだ。これは国とか言葉とか場所とか関係なく世界共通だと思っている。




今、食の転換期シーズン2


そして20代の後半で私にまた転換期が来る。結婚をして自分で食事を作るようになって大きく変わったし、日々食事を作りながら母の偉大さを痛感した。誰かに食べてもらうってこんなに嬉しいことだったんだと思い知ったし、折角口にするものならより良いもの(豪華とか高価ではない)を取り入れようとか、バランスとか深く深く考えるように変わっていったのだ。そして驚くことに口にするものが変わると自ずと性格なんかも変わるんじゃないかと感じる。イライラが減ったり、落ち込みが減ったり、何だか調子が良くなるのだ。これもダイエットの時と同じく食だけの問題ではないとも思うけど、それでも大きく関係していると個人的には思っている。

そして、巷で身体に良いとされる食べ物が全て自分に良いわけではないことも分かってきた。例えば私は玄米が体質的に合わない。上手く消化出来ないようなのだ。これも試したから分かったことだけどただ無意識に取り続けることの恐ろしさも同時に味わうことになった。そんな感じで日々実験のように色んなことにトライしているが、現段階では肉食を半分またはそれ以下に減らしたり、グルテンフリーを少しずつ取り入れてみたりしている。別にアレルギーがあるわけでもないしお肉は好きだけど大豆ミートに置き換えてみたりするだけで食のレパートリーも増えた感覚があって、平たく言うと楽しいのだ。きっとどこかで食は作るところからが喜びだという風に変わっていったのだろう。ごはんを作るなんて結婚してからやるようになったものなのに、これには自分が一番驚いている。




毎日のことだから、だからこそ丁寧に


日々仕事に忙しく子育てに忙しく過ごしている私たちにとって日常は常に流れていってしまうものだったりする。歳を重ねれば重ねるほどに時間の流れは速まる。そこで私なりに出た答えが、毎日のことほど馬鹿が付くくらいに丁寧にやろうってことだった。そして意外と毎日を一生懸命丁寧にやっていると残りの時間は少なくって、だとしたら、そんなに必要なことってないんじゃないか?って思えてくるのだ。食に関して毎日の必要なことは夫との晩酌だとか、バランスだとか。そのくらい、本当そのくらいでしかない。でもそれだけは丁寧にやっていきたいこれから先も。そしてまた旅できる日がみんなにも私にも来たら…と行き先を考える時間も今の私にとって必要なことで、そんな喜びが内面からの美しさに繋がっていったらいいななんて思うのだ。




それでは3連休最終日も素敵な人たちと素敵な食事を…!!!



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