そのザワザワに用がある

十数年ぶりに映画『ダイ・ハード』を観ました。
放送予定を番組表で見つけたときには心が躍理、迷わず録画予約をしましたよ。

公開年は1988年、私は高校2年生。
映画界ではまだ無名に等しかったブルース・ウィルスを一躍スターに押し上げた大傑作であります。

見始めてすぐ「むむ?」となりました。
ココ最近のアクション映画やSFスペクタクル大作などでお約束となりつつある、オープニングからの「ドドーン!ドンガラガッシャーン!よっしゃ掴みはオッケー!」的な展開は一切なし。

ススーッと静かな導入部。
これじゃもしかしたら現代っ子の我が息子は「何これ?ちょっと退屈なんですけど!」と言い出しかねないなと思いました。

いやちょっと待って。
これから盛り上がってくるんだよ。
だから、それまで耐えて!
ってのは、今の若人に通じるんですかね。

“ファスト” でしたっけ?
今の世の中、何でもかんでもドンドン早くなっていきますね。
それは多分きっと良いことなのだろうけども、己のオッサン化が絶賛進行中の身としては「慌てない慌てないひとやすみひとやすみ」と息切れしながら言いたくなることもしばしば。

(今これ書いてて、ひとやすみを漢字にすると「一休み」だから、アニメの一休さんはいつもCM入るときのジングルでこのセリフを言っていたのだな!なるほど!と気づきました。ちょっと感動)

ツラツラとどうでもいいことを書いてきましたが、とどのつまり何が言いたいかというと「まあ、のんびり行こうぜ。ジタバタするなよ、埃が立つぜ。」ってことです。

手始めに読書はいかがですか?

私は、五十五歳まで(つまり二年間)に吉村昭作品&中上健次作品を全て読破することを目標にしました。
今の私に必要ないろんなことが凝縮されているような気がするんです。
どちらを読んでいても、心がザワザワさせられるんです。
それは全く違う種類のザワザワなんですけどね。
今、自分の中で大切なのが、このザワザワなんです。
いいもんですよ、ザワザワ。

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