MECEとは?漏れなくダブりなく情報を整理する思考法を徹底解説
こんにちは!
今回は「MECEとは?」です。聞いたことあるけど、いまいち理解していない方に向けて、なんとなくわかる!をゴールに説明していきます。
MECEとは何か?漏れなくダブりなく情報を整理する思考法
MECE(ミーシー)とは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字を取ったもので、「相互に排他的かつ網羅的」という意味です。コンサルティング業界などで広く用いられるこの思考法は、物事を漏れなく、かつ重複なく分類するために活用されています。MECEを意識することで、情報を整理し、問題解決や意思決定をスムーズに進めることができます。
なぜMECEが重要なのか?
MECEを意識せずに情報を整理すると、抜け漏れや重複が発生しやすくなります。例えば、市場分析を行う際に、競合他社を一部しか考慮していなかったり、自社の強みを重複して評価したりすると、誤った分析結果を導き出してしまいます。
MECEを徹底することで、このようなミスを防ぎ、より正確な分析や判断を行うことができます。また、MECEを用いて情報を整理することで、複雑な問題をシンプルに捉え、本質的な課題を明確にすることができます。
MECEとロジックツリーの関係
MECEは、ロジックツリーと密接な関係があります。ロジックツリーは、問題を階層構造で分解し、MECEの原則に基づいて要素を整理するためのフレームワークです。MECEを意識してロジックツリーを作成することで、より効果的な問題解決や意思決定を行うことができます。
ロジックツリーの書き方については以下記事を参照ください。
MECEの具体的な実践方法
MECEを意識して情報を整理するには、以下の4つのステップを踏むことが有効です。
目的の明確化:何のために情報を整理するのか、目的を明確にします。目的が明確でないと、どのような情報を集め、どのように分類すれば良いのかが分からなくなってしまいます。
要素の洗い出し:目的に沿って、必要な情報を収集し、要素を洗い出します。この際、抜け漏れがないように、できるだけ多くの情報を収集することが重要です。
要素のグルーピング:洗い出した要素を、共通点や関連性に基づいてグループ化します。このとき、MECEの原則を意識し、要素同士が重複せず、かつ全体を網羅するようにグルーピングすることが重要です。
構造化:グルーピングした要素を、階層構造で整理します。上位概念と下位概念の関係を明確にすることで、情報の全体像を把握しやすくなります。
MECEを意識する際の注意点
注意点としては、以下の点が挙げられます。
完璧主義にならない:MECEはあくまで思考ツールであり、完璧に実践することは難しい場合があります。ある程度の妥協も必要です。
状況に応じて柔軟に対応する:MECEの原則は、常に適用できるわけではありません。状況に応じて、柔軟に使い分けることが重要です。
MECEは、問題解決や意思決定だけでなく、さまざまな場面で応用できます。例えば、企画立案、プレゼンテーション資料の作成、会議の議事録作成など、幅広い場面で活用することができます。
MECEを活用したフレームワーク
MECEの考え方は、様々なフレームワークに応用されています。ここでは、代表的なフレームワークをいくつか紹介します。
3C分析
市場や競合を分析する際に用いられるフレームワークで、「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの要素を分析します。
4P分析
マーケティング戦略を立案する際に用いられるフレームワークで、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」の4つの要素を分析します。
SWOT分析
企業の現状を分析する際に用いられるフレームワークで、「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」の4つの要素を分析します。
これらのフレームワークは有名なので名前だけでも聞いたことがあるのではないでしょうか。活用することで、より効率的に情報を整理し、問題解決や意思決定を行うことができます。
MECEのビジネスにおける活用事例
MECEは、ビジネスの様々な場面で活用されています。ここでは、具体的な活用事例を紹介します。
問題解決
問題の原因をMECEの観点で分解することで、漏れなくダブりなく原因を特定し、効果的な解決策を導き出すことができます。例えば、以下のような流れで考えていきます。
問題の定義:顧客からのクレームが増加している(前月比20%増)
主要因の分解:MECEを意識し、クレーム増加の原因を大きく以下の3つに分解します。
商品・サービスに関する要因
製品不良/欠陥
納期遅延
説明不足/誤解
価格設定への不満
サポート体制の不備
顧客対応に関する要因
従業員の対応態度
問い合わせ対応の遅延
顧客情報管理の不備
顧客への連絡ミス
その他
競合他社の動向
市場環境の変化
自然災害・事故など
因果関係の整理:それぞれの要因をさらに細かく分解し、原因と結果の関係性を明確にします。例えば、「製品不良・欠陥」が増加した原因として、「製造工程でのミス」「品質管理体制の不備」「原材料の品質低下」などが考えられます。
対策の立案:特定された原因に対して、具体的な対策を立案します。例えば、「製造工程でのミス」に対しては、「作業手順の見直し」「従業員教育の強化」「検査体制の強化」といった対策が考えられます。
このように、MECEを用いて問題の原因を漏れなくダブりなく洗い出すことで、根本的な原因を特定し、効果的な対策を立てることができます。
企画立案
新しい商品やサービスを企画する際に、MECEを用いてターゲット顧客、競合製品、市場トレンドなどを分析することで、成功するための要素を洗い出すことができます。また、企画の目標達成に必要な要素をMECEで分解し、具体的なアクションプランを策定することも可能です。
例えば「新規オンライン学習サービスの企画」を行うケースを考えます。
目的の明確化:どのような層をターゲットとし、どのようなサービスを提供したいのか、目的を明確にする
要素の洗い出し:MECEを意識し、以下の要素を洗い出します。
ターゲット顧客
年齢層
性別
職業
学習目的(スキルアップ、趣味など)
学習スタイル(動画視聴、テキスト学習など)
競合サービス
既存のオンライン学習サービス
競合の強み・弱み
価格設定
市場トレンド
オンライン学習市場の成長率
注目されている学習分野
テクノロジーの活用状況
要素のグルーピング:洗い出した要素を、関連性に基づいてグルーピングします。例えば、「ターゲット顧客」に関する要素は、「年齢層」「性別」「職業」などをまとめてグルーピングできます。
構造化:グルーピングした要素を、階層構造で整理します。例えば、「ターゲット顧客」を上位概念とし、「年齢層」「性別」「職業」などを下位概念として整理します。
このように、MECEを用いて企画に必要な要素を漏れなくダブりなく洗い出すことで、企画の全体像を把握し、具体的なサービス内容やマーケティング戦略などを検討することができます。
まとめ:MECEで思考を整理し、成果を上げる
MECEは、「漏れなくダブりなく」物事を分類する思考法であり、ビジネスにおいて非常に重要なスキルです。MECEを意識することで、情報を整理し、問題解決や意思決定をスムーズに進めることができます。
以上「MECEとは?」でした。
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