なぜなぜ分析とは?問題の根本原因を特定し、再発防止につなげる効果的な手法
こんにちは!
今回は「なぜなぜ分析とは?」です。聞いたことあるけど、いまいち理解していない方に向けて、なんとなくわかる!をゴールに説明していきます。
なぜなぜ分析とは?
「なぜなぜ分析」とは、問題が発生した際に、その根本原因を特定するための手法です。「なぜ」という問いかけを繰り返すことで、表面的な原因だけでなく、その背後にある真の原因を掘り下げていきます。トヨタ自動車が生み出した「トヨタ生産方式」の中で、品質管理の手法として開発されたこの手法は、問題の再発防止を重視する同社において、重要な役割を果たしています。
なぜなぜ分析を行うメリットは数多くあります。まず、表面的な原因だけでなく、真の原因を突き止めることで、効果的な対策を立てることができます。また、根本原因に対処することで、同じ問題の再発を防ぐことができます。さらに、問題解決のプロセスを共有することで、組織全体の意識改革や問題解決能力の向上にも繋がります。
一方、デメリットとしては、根本原因にたどり着くまでに多くの「なぜ」を繰り返す必要がある場合があり、時間がかかることがあります。また、分析者の主観的な意見や解釈が入る可能性があり、客観的な分析が難しくなる場合もあります。
しかし、これらのデメリットを理解した上で、適切に活用することで、なぜなぜ分析は非常に効果的な問題解決手法となります。
なぜなぜ分析の手順
なぜなぜ分析は、以下の5つのステップで行います。
ステップ1:問題の明確化
まず、解決したい問題を具体的に定義します。「売上が下がった」ではなく、「前年同月比で売上が15%減少した」のように、具体的な数値を用いて表現することが重要です。
ステップ2:「なぜ」を繰り返す
問題に対して「なぜ?」と問いかけ、その答えを書き出します。
その答えに対してもさらに「なぜ?」と問いかけ、さらに深掘りしていきます。
このプロセスを、一般的には5回程度繰り返すことで、根本原因にたどり着くことができるとされています。
ステップ3:根本原因の特定
繰り返した「なぜ」の問いかけと答えを繋げて、因果関係を明確にします。
根本原因と思われる要素を特定します。
ステップ4:対策の立案と実行
特定した根本原因に対して、具体的な対策を立案し、実行します。
対策は、根本原因を解消できるものであり、かつ実行可能なものである必要があります。
ステップ5:効果検証
実行した対策の効果を検証します。
問題が再発しないか、継続的にモニタリングすることも重要です。
なぜなぜ分析の活用事例
なぜなぜ分析は、様々な業種・業界で活用されています。ここでは、代表的な活用事例をいくつか紹介します。
製造業における活用事例
製品不良が発生した原因を特定し、再発防止策を講じる。
生産ラインの停止時間が多い原因を特定し、生産効率を向上させる。
顧客からのクレームが多い原因を特定し、顧客満足度を向上させる。
サービス業における活用事例
顧客からの問い合わせ対応時間が長い原因を特定し、対応時間を短縮する。
従業員の離職率が高い原因を特定し、離職率を低下させる。
サービス品質にばらつきがある原因を特定し、品質を安定させる。
ここでは、代表的な活用事例である「サービス業における活用事例」に焦点を当て、前述で解説した手順に沿って具体的な事例を紹介します。
サービス業における活用事例:顧客満足度が低下している
ステップ1:問題の明確化
顧客満足度調査の結果、前年比で5ポイント低下している。
ステップ2:「なぜ」を繰り返す
なぜ顧客満足度が低下したのか?
→ 顧客からのクレームが増加したため
なぜ顧客からのクレームが増加したのか?
→ スタッフの対応に不満を持つ顧客が増えたため
なぜスタッフの対応に不満を持つ顧客が増えたのか?
→ スタッフの接客スキルが不足しているため
なぜスタッフの接客スキルが不足しているのか?
→ 十分な研修が行われていないため
なぜ十分な研修が行われていないのか?
→ 研修制度が整備されておらず、担当者が明確になっていないため
ステップ3:根本原因の特定
顧客満足度低下の根本原因は、「研修制度が整備されておらず、担当者が明確になっていない」ことだと特定できました。
ステップ4:対策の立案と実行
研修制度を構築し、担当者を明確にする。
定期的な研修を実施し、スタッフの接客スキル向上を図る。
顧客満足度調査を定期的に実施し、改善状況を把握する。
ステップ5:効果検証
対策実施後、顧客満足度調査を再度実施し、改善が見られたかを確認する。
改善が見られない場合は、再度なぜなぜ分析を行い、新たな対策を検討する。
この事例を通して、なぜなぜ分析がサービス業においても、問題の根本原因を特定し、具体的な対策を立案する上で有効な手段であることが、何となくでも理解できるでしょう。製造業の場合でいくと、以下KEYENCEの記事を是非ご覧ください。
なぜなぜ分析を効果的に行うためのポイント
なぜなぜ分析を効果的に行うためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
具体的な問題を設定する: 抽象的な問題設定では、根本原因にたどり着くことが難しくなります。具体的な問題を設定し、数値データなどを用いて現状を明確にしましょう。
客観的な事実を基に分析する: 感情や主観的な意見に左右されず、客観的な事実を基に分析することが重要です。
チームで協力して行う: 複数人で意見を出し合いながら分析することで、より多角的な視点から問題を捉えることができます。
適切なツールを活用する: ホワイトボードや付箋、オンラインツールなどを活用することで、思考を整理し、分析結果を可視化することができます。
諦めずに「なぜ」を繰り返す: 根本原因にたどり着くまで、根気強く「なぜ」を繰り返すことが重要です。
これらのポイントを意識することで、なぜなぜ分析の効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ:なぜなぜ分析で問題解決能力を高めよう
なぜなぜ分析は、問題の根本原因を特定し、再発防止につなげる効果的な手法です。トヨタ生産方式が生み出したこの手法は、様々な業界・業種で活用され、業務改善や品質向上に貢献しています。なぜなぜ分析は、一見シンプルな手法ですが、奥が深く、使いこなすには練習が必要です。しかし、繰り返し実践することで、問題解決能力や論理的思考力を高めることができます。
以上「なぜなぜ分析」でした。
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