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日本酒のベストの温度の探り方

日本酒ほど多彩な味わいを愉しめる酒は、世界広しといえども他にはないと思う。純米や吟醸や大吟醸など、日本酒それぞれにおいしい温度があって、さらにそれは飲む人の好みによって、さらにその日の気温やあわせる料理によっても違ってくる。この酒はこの温度でと一概にいえないところが日本酒の深いところであって、その日本酒を冷やすのか、温めるのか、それともそのままでいくのか、その日、その食卓の、その日本酒のベストの温度を探るのが、日本酒ならではの愉しみであり、醍醐味なのだ。一概にコレと決めつけるのはヤボというものだ。本当にいい日本酒は水で割っても味や香りを損なうことはない。
熱燗がおいしい季節。新潟の師匠筋にあたる方から教えていただいた、日本酒の温め方をご案内する。お湯をいれた茶碗を用意して、そこに日本酒を注いだお猪口を入れるのだ。お湯の温度でじわじわと温かくなる。それをチビリチビリと飲りながらベストの温度を探る。温度が徐々に上がっていく過程で探るのがポイント。旨味も香りも飛ぶことはない。おまけに湯へつけるたびにお猪口のベタツキも取れ、指先も現れる。ぜひ、お試しあれ。

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