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感謝や挨拶を、香りにも託して。

 香りを纏う人が好きだ。すれちがったときにふとやわらかい香りが鼻先をかすめる人に出会うと、それだけで暮らしぶりがうかがえる気になる。香りは礼節なので、ポイントは相手を想って使うことにつきる。あくまでも控えめな方がよろしい。私の場合は朝のシャワーのあとに、ロー・ドゥ・イッセイを膝裏にワンプッシュ。普段使いの人なら自分でわからないくらいがベストだと思っている。
 一方で香りを纏わせるのは人だけではない。手紙といっしょに香りを添える文香は、なんて素敵な習慣なんだと思う。ほのかに立ち上がる香りで感謝が伝わり、親和が降りる。利用しない手はないと思う。他にもお札や名刺に香りを添えている。財布や名刺入れにも「名刺香」を1枚忍ばせておくのだ。支払うとき、名刺を交換するとき、ふっとやわらかな香りが立ち上る。気づいた相手は表情をやわらげたりする。お礼や挨拶を香りでも伝えているつもりでいる。