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サブレとクッキーとビスケット

ドンハマ★には、いくつかの顔があって、サブレストもやっています。サブレスト(sablest)というのは、おもしろサブレを集める人という意味で使っている、私の造語なんです。ですから名乗っているのは、世界中で、私一人かもしれないのですが(笑)

サブレの中のサブレ(最上級)という意味で名付けられた「サブレスト」というれっきとした商品もあります。リーフパイでもおなじみ銀座ウエストさんが販売しています。上品で美味しいお菓子です。

始めたきっかけは、出張先の京都で、鳩サブレならぬ「鴨サブレ」というお土産を見つけ、こんな類似商品が堂々と売られているサブレ界のことが気になって、各地を訪れては、買い集めているということなのです。

「おみやげ、またサブレなの?」と子どもたちにも辟易されながらも、初心を貫き通して集めたサブレの種類は、結構な数になっています。先述の鴨サブレも含め、instagramにアップしているので、その苦闘の道のりをぜひご覧ください。コロナの影響で、最近は、めっきり減りましたが、トータルで170回以上投稿しています。(フォローもいただけるとうれしいです)

サブレストとして各地のおみやげ屋さんを徘徊するわけですが、明らかにサブレというのはほとんどなく、サブレっぽいと思ってもクッキーと表記されていたり、クッキーっぽく見えるのにサブレとあったり、この違いは何なんだ!どれを買えばいいのか?と迷いが起き始めました。そして、同じ焼き菓子には、ビスケットというのもありますね。これらの違いって、いったい何なんでしょう?その疑問がどんどん膨らんでいったのです。そこで今日は、サブレとクッキーやビスケットの違いについてまとめてみたいと思います。

レシピ上の違いは?

ネットで調べたところ、レシピ上のこともいろいろわかってきました。いずれも、焼き菓子特有の甘い風味や固さがありますが、サブレは、その中でもさらに固くて、サクッと割れる感じがあります。

いずれも小麦粉、糖分、バター成分、卵などが主成分になっていますが、サブレは、ベーキングパウダーを使わずバター成分もクッキーやビスケットの2倍使っているらしいのです。特有のサクッと感と独特の風味は、この違いから生まれてくるようです。成分に少し違いがあるのは、わかってきました。しかし、それだけなのでしょうか?

発祥の地が違った

サブレというのは、語感からして、フランス語っぽいですよね。実は、フランスには、小麦粉で作った焼き菓子の総称をサブレと呼ぶという説があるのです。一方、アメリカでは、それを全般的にクッキーといい、イギリスでは、ビスケットということらしいのです。

ということは、国によって、呼び方が違うだけということにもなりますね。ちょっと乱暴な説にも思えますが、これはこれで説得力があります。

しかし、フランス語にはビスケットと語源を同じくする「ビスキュイ (Biscuit)」という言葉があり、二度焼きしたものを意味するらしく、つまり、フランスにもビスケット的な言い回しもあるということになります。さらにややこしいことにサブレはそのビスキュイの一種という考え方らしいのです。

どうも地域性とレシピや成分の違いが微妙に絡まって、なんとなくここら辺はサブレ、この辺がクッキー、こっちの方はビスケットと捉えられそうですが、しかし明確とまでは言えず、曖昧模糊としています。そんな中、明確な定義づけをしている国があったのです。

クッキーとビスケットは違います

その国とは、日本です。1971年に全国ビスケット協会(製造業者による業界団体)が、クッキーとビスケットを区別する基準を作りました。これは、当時、クッキーが高級菓子とされていて、大衆的なビスケットとの誤認を避けるという理由で決められました。その中で、クッキーは糖分・脂肪分が全体の40%以上で、手作り風のものという基準が示されたのです。

【ビスケット類の表示に関する公正競争規約及び同施行規則】より抜粋 「クッキー」とは、ビスケットのうち次に掲げるものをいう。「手づくり風」の外観を有し、糖分及び脂肪分の合計が重量百分比で40パーセント以上のもので、嗜好に応じ、卵製品、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜等により製品の特徴付けを行って風味よく焼きあげたもの

この規約は、業界団体の自主規制ルールなので、個人の洋菓子店なども含めたものではありませんし、またサブレについては何も触れていません。そして、全国ビスケット協会のホームページには、ビスケットの仲間としてソフトビスケット(クッキー)というカテゴライズもされています。つまりは、サブレとクッキーとビスケットの違いは、やはり明確な線引きは難しいということなのでしょうか。ざっくりとまとめるとこんな感じになりそうですが。

【結論】自己認識を超えるものはない

最後にサブレの話に戻します。これまで出会ったサブレは、サブレストとして、すべて食べていますが、鳩サブレに代表されるように、固めでバター風味の《ザ・サブレ!》というものもあれば、味も食感もこれはクッキーだね~というものもありました。パッケージには「〇〇サブレ」という商品名、箱のウラの規格表示には、クッキーと書かれていたりします。

つまり、菓子メーカーや洋菓子店さんのサブレは、ある程度レシピに基づいていると言えますが、おみやげ屋さんで売られているものは、商品戦略上、サブレと名付けたというケースも相当あるという印象です。サブレの方がクッキーやビスケットより販売上優位かどうかは何とも言えませんが、ここに一人だけそういう行動をとる人がいるというのは事実ですね(笑)

つまりドンハマ★としては、それがサブレかクッキーかビスケットかは、自称で決めるしかないと考えています。だって「わたしはサブレです」と言ってるのだからそれを疑ったり否定する必要はない、という考えなのです。

人間だって、「自らは〇〇である」という自己認識は、存在や行動の出発点になります。曖昧な世界の中で、自分をサブレと言い切るその自己認識より確実な判断基準はないし、むしろそれは愛すべきこととサブレスト・ドンハマ★思っているのです。

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