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竹工作 [親子で体験、竹馬つくり:後書き]

子供が自分で作る

竹で作るものといえば、竹馬。ある程度の年代の方なら少なからず思い出があるのではないでしょうか。
自分で乗る竹馬を子供が自分で作る。大人は少しの補助をするだけ。
そんな体験イベントのお手伝いを何度か行ってきています。
ノコギリを使ったことが無くてもOK(幼稚園生くらいから、初心者歓迎)です。

前編では、竹馬の作り方を紹介しました。
後編では、子供さんが自分で作る際の、大人(親)と子供の役割分担を紹介しました。
後書き(この記事)では、こうした取り組みの背景、私の体験など紹介します。

背景

私は主にNPO法人トチギ環境未来基地(以下、未来基地と呼ぶことにします)の募集するボランティアに参加しています。その中で竹林整備があります。また未来基地ではキッズネイチャーフェスなどにも参画し自然活動体験を子供たちに提供しています。その一環で、竹馬つくりを一緒にやってもらえないかと、代表の方から相談をうけました。そこで整備活動で伐採した竹を使って、子供と一緒に作ることを考えました。

こうして2022年に始まり、それ以降、年に数回、竹馬つくり体験を行っています。最近(2024年6月)行った際には「幼稚園でもこれをやりたい」というお母さんが熱心に作り方を聞いてくれたので、私もマニアックにお話をしました。そこで、今回noteに詳しく書くことにしました。

竹馬つくり体験

大人は裏方に徹する

私もそうでしたが、どうしてもお父さん。特に腕に自信のあるお父さんは、ついつい口や手をだしてしまいます。ですが、そこはジッと待つことが大切だと思いました。

子供が持つなかなか動かないノコギリを見ていると、ついつい口を出したくなります。
よくい言えばアドバイスしたくなります。困っているなら手を貸してあげたくなります。
でもその、一見止まっているような時間でも、子供にとっては大切な時だと感じました。
自分の手の感覚と頭がフル回転して、「真っすぐ動かす」という感覚を探していいるんです。

例えば、こんな事がありました。
左右のステップを作るために、竹を2回切ります。なんとか1回目を切ることができた子供さんに、「もう1回切るんだけど、おじさん(私)がやろうか?」と聞くと、「自分でやるぅ」と笑顔で答えました。
つまり、大人視点では「時間がかかって苦労した1回目」に見えても、子供がそう感じているとは限らない、とうことです。そうして2回目は、ほとんどの子供さんが1回目より速く確実に切ることができます。

それ以来、子供さんに対しては私の勝手なイメージで接することなく、一人の人として説明するようにしています。
「さすがに、この小さい子では無理かなぁ」と思ったようなお子さん(幼稚園の年中さんとのことですが、もっと小さく見えました)が、ちゃんと竹を切れるようになった事もありました。

そんな風に、数々の「初めてできるようになった瞬間」に立ち会えることは、私にとっても嬉しい体験です(我が子らのそいう瞬間は既に過ぎ去った思い出です)。

また、ロープを縛ること。これも最近は知らない子もいるようです。マジックテープやカチャっとはまる部品など、容易につけ外しできるものが増え、わざわざ「縛る」という機会も減っているのでしょうか。
そんな中で、最も基本的な縛り方をしてもらいます。解くことなど考えず、とにかく「ガッチリ」縛ってもらう。自分が乗るんだから力一杯、一生懸命縛る。そんな真剣な姿をが見られることも、大人にとっては楽しい体験です。

今後もこの活動を続け、私自身がさらに裏方に徹することで「おじさん(私)とお子さん」、ではなく「親子で作る体験」になるよう工夫していければと思っています。

材料調達

竹馬にちょうどよい太さや長さの竹。それをどこから調達するのか。
未来基地ではボランティアの方々と協力し竹林整備活動の中から材料を集めています。

材料調達

今、全国の地方で、竹林の手入れが行き届かない状況があるようです。その整備活動に参加してみると、竹をわけてもらえるかもしれません。ぜひ参加してみてください。
そうすれば、長さも太さも、節の位置も、ちょうどピッタリな材料が手に入るかもしれませんよ。

工業製品とは違う手作り品

いろいろな物や情報があふれ、便利な時代になったと思います。
そんな中で、自分の手を動かし動力の無い原始的な道具(ノコギリ、ナタ、など)で物を作る体験は、とても楽しいことだと感じています。
自分で作った物だから、壊れても直せるし、次は少しアレンジしてみようとか工夫もできるし。
失敗したらやり直し、何度でも試行錯誤できる。

増えすぎて困っている竹は、とても良い手作り工作素材だと思っています。
完成品だけでなく作る過程や修理することなど含めたものが、手作り品の魅力だと思います。

また、私は「竹は竹のままで」という考えで竹工作をしています。
昔の人が考えたこの竹馬は、まさに竹の姿をそのままつかった傑作だと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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