4次元の視点。

とどのつまり、って言ってしまうのは少し残酷かも知れないけどさ、君が描く空白はただの空白に過ぎないんだよな。うん、君の意見は手に取って余るほどに分かるよ。貴方が俺の現代アート的空白を読み取れていないだけじゃないか、と。俺は俺の抽象絵画的装いが分かる人がいればいい、と。

でも、君の考えはタイタニック号が座礁してしまうほどに、浅はかなんだよ。ピカソが描く空白と、君の描く空白は、うりとざくろくらい違う。なぜかって? それは、遍くホモ・サピエンスが4次元の視点を持っているからだ。  

つまりは、空白は平面ではなく、空間で、さらに言えば時空で捉えないといけない。君の何の変哲もない規格品の空白と、ピカソが何万回と思索を深めて辿り着いた空白は、文字通り次元が違う。

おやおや、自信をなくしてしまったようだ。でも、筆を置いたら君は2次元の悪魔になってしまう。筆を持ち続けるんだ。ピカソでさえ何万枚も描いたんだからさ。君も時空に足を踏み締めなければ、ね。

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