ジャム。

朝の車両は、まるでジャムを煮込んでいるみたいだ。具材はごった返し。やけに同じ具材が多いことが少し気になる。皮は実をえぐるほどきれいに剥かれ、均一の神様に愛されているみたいに規格的に刻まれている。

ジャムには砂糖が付き物だが、如何せんここには糖分が足りない。プレーンのジャムを選り好む人がいないことなんて、みんな分かっているはずに。 あるいは、そういうことを考えることをやめたのかも知れない。余りにも同志が多過ぎるのかも知れない。どちらにせよ、酸味が濃縮されたこのジャムはもはや煮込まれるために火をかけられているみたいだ。

ぐつぐつ、ぐつぐつ。毎日煮込みすぎて具材は解れきっている。どろどろのホットジャムは、いつシンクに投げ棄てられてもおかしくはない。

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